目が覚めたら産屋敷邸だった件。2

64 ページ18

貴方side


そうこうしていると蝶屋敷へ着いた。


怪我の治療もパパッとしてもらい、
胡蝶様から炭治郎たちの病室を聞き、訪ねようとして廊下を歩いていると、




｢イヤァァァァァッッッ！？？！薬ッッッヤダァァァッッッ！！！｣




(『この汚い高音は…。はぁ…』)



声の主はあの人しかいないだろう、そう思いドアに手をかける。




善逸｢…！Aちゃん！！来てくれたの！！！？
あの任務の後どこにもいなかったから心配したんだよおおおお！！！？？｣




おろおろと涙を流しながらそう言ってくれる善逸。





『し、心配かけてごめんなさい…！
あ、あの、善逸くん、手足が…』




善逸｢んぇ？ああ、これね、毒のせいでこうなってるんだって！おかげで不自由な生活送ってるよッ！！！｣






｢だから薬を飲んでください、とあれほど言ってるいじゃないですか！！｣





そう言って隣に来た子は、アオイちゃんだった。





(『うわぁ…！アオイちゃんだあ…かわいい…目の色綺麗…かわいい…(2回目)』)







『ぜ、善逸くん、薬、飲んでください…？』




善逸｢うぅ…っ！やだよぉぉ！！これめっちゃくちゃ苦いの！！Aちゃんも飲めばわかるよ！！｣




そう言ってグイッと湯のみを近づけられる。匂いだけでも結構して、思わず鼻をつまむ。




『ほ、ほんとにすごそう…』

善逸｢でしょでしょ！？ああああ嫌だァァァァァァ！！｣


(『しまった。さらに悪化させちゃった…』)





アオイちゃんも呆れて困ってる。
ここは私が何とかしなきゃ…




『ぜ、善逸くん…』

善逸｢ふぇ…？｣





そう、あの山に入る前みたいに…


そう思い善逸の短くなった手を握る。



善逸｢うえええええ！？！？！まっまたAちゃん手…！！も、もしかしてほんとに俺の事…｣



『い、いや、それは違いますが…』

善逸｢Aちゃん……｣


(『表情コロコロ変わる…可愛い…』)

『で、でも、

私、早く元の善逸くんの姿に治って欲しいし、
それに、薬をスっと飲める人すごいなぁ…って思っちゃいます。
あ、えと、その…私も、薬…苦手だから…』



これは紛れもない事実。舌が敏感な私にとって死活問題。薬キライ。苦いのキライ。ヤダ。←




善逸｢…じゃあ、薬飲んだら、ご褒美くれる？｣





そう上目遣いで聞いてくる善逸。






(『エッハッ！？何天使…？あざと…！？可愛いすき…！！←』)







『は、はい…私に出来ることなら…』

65→←63

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す