蝶よ花よと美しく２ (ページ14)

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「さ、何があったか聞こうかな」

「は……？」

急に、２人の間の壁を壊し始めた彼

へらへらと笑ってみせる美勇人くんの
心意がまったくわからない。

「…いつもならこんな深入りしないよ」

「……うん」

「でも、今、顕嵐は俺に電話しちゃった。

……てことは、俺も加害者だよ。

あらんが休む理由、脱水になった理由くらいは聞く権利があるよ？」

あぁ、してやられたな。

シンプルに美勇人くんの方が１枚上手だった。

いつだって壁を作っていたのは俺のためで
絶対的に俺が傷つくってわかっているからで。

美勇人くんはいつも俺のためだった。

今までも、今も。
俺が１番傷つかない方法だけを探ってくれる。

「……ずるいよね、美勇人くんって」

「それは、顕嵐も一緒じゃない？」

２人で吹き出して、笑いあった。

空っぽだった俺の体が、心が
満たされていく感覚でいっぱいになった。

美勇人くんに、全部話した。

そして、助けだって求めた。

プライドなんてもんは

どこかに落としてきたらしい。

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