蝶よ花よと美しく (ページ10)

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きらきらと反射する中。

これを見るのは２回目だ。

でも、今度は１人で。

あれから、彼女の嘘は薄気味が悪くて
何故か眠れない夜が続いた。

だったら、自分ではっきりさせた方がいい。

" あれ？アランくんじゃん！"

「ども、」

" 美勇人くんは一緒じゃないんだ…？"

「ちょっと、聞きたいことがあって。」

彼女は不思議に思いながらも
俺の話をしっかり聞いてくれた。

全部、話し終えると表情は柔らかく変わる。

" たぶん、レイちゃんかな？
あの子、普通に変わってんだよね。"

「え、ここの子なの？」

" うん。

冗談ばっかり言うけど可愛いから
みんなレイちゃんの虜だよ～"

けらけら笑って話す彼女。

あれが冗談なら
ただただタチが悪すぎる。

「今日いる？」

" うん。呼ぶ？"

「あー……いいや、帰る。」

これ以上、なにも知りたくないと思った。

無闇に首を突っ込むもんじゃない、とも。

扉の外は、ただの冬だった。

寒くて、風が冷たくて。

ここでは逃げてる人しかいないし。

俺だって、逃げてるようなもん。

「……時間、無駄にしたな。」

独り言はどこかに消えるはずだった。

『…ほんとに無駄だった？』

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