きゅんとしたら負け。

心配性 ページ13

「ちょっと集合！」


まるで運動部の活動みたいな呼び出され方。

集合とか言いつつ、私にしか向けられていない言葉でありまして。

何だろうなぁとか不思議に思いながらも、私は彼の前に立つのであります。


「お前俺に言わないでどこいってた？」
「えっと、二階の空き教室＿＿＿＿＿＿」
「はいアウト。ダメ。ブッブー。不合格。」


ショックな言葉をズラリと並べて腕を組むのは、大好きな彼、大樹。

さっきは、ちょっと呼び出しというものを食らったわけでして、クラスの違う大樹には言わずに、そっちの用事にでかけちゃったんです。

心配性の彼は、皆から情報を集めて、私の場所を推測。そして今に至る。


「馬鹿、またどうせ男だろ」


用事、と言うのは紛れも無く告白のことであります。

私と大樹が付き合っていることは、殆どの人が知っているはずなのに、私は何回か告白をされたことがあった。

その度に大樹を怒らせて困らせて。


だけど、人に好かれるのはもちろん嬉しいし



……それに、その度嫉妬してくれるのが堪らなく嬉しいから。




「……俺を何回不安にさせるわけ」
「うん、ごめんね？」
「頼むから、どこにも行かないでくれよ」
「ちゃんと断ったから、ね」
「…………ああ気分悪ぃ」
「ごめん大樹、だいすきだよ」
「…………ん。」






私が好きだと言えば、安心して笑ってくれるところ。

私のことをちゃんと好きでいてくれるってことがわかりやすすぎるとこもまた可愛くて。


心配性は、甘えん坊の延長線上にあるのかも、なんて感じる。






「次呼び出されたらコロす！Aじゃなくて男を！」









◇
心配性

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