【歌い手】塩対応彼氏【センラ】

塩小さじ25 ページ31

センラside


ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ


勇気を振り絞って鳴らした音は自分の気持ちより軽快で少し気が緩む


ｶﾞﾁｬという音と共に目の前の扉が開いた


いつもなら愛しいあの子が笑顔で迎えてくれる

今日だってそうだと思っていたのに、扉から見えたのはなんとも言えない決して明るくは無い表情のA


笑っているのに笑えていないようなそんな表情は彼女らしくなくてどこか違和感だった


『センラさん!わざわざお兄ちゃんと会った後に来てもらってすみません』


セ「いや、ええんよ。俺も話したいことあったし」


『そうなんですか?じゃあまぁとりあえず入ってください!』


ちぐはぐな表情と口調に違和感は増していくばかりだけど、部屋に入らないことにはどうしようもなかったため素直に部屋に入る


慣れたようにソファの定位置に座る


『飲み物お茶で大丈夫ですか?』


セ「あぁ大丈夫やでありがとう。」


俺の前にお茶を置いてAが俺の横に座る


『…』

セ「…」


いつもなら沈黙も気まずくないはずなのに、空気が張り詰めていてどちらから話そうかなんてそんな間柄でもないはずなのにお互いがさぐり合うような雰囲気ができる


セ「『あのさ、あっごめん先どうぞ』」


綺麗に2人の声が重なった


『…』

セ「…」

『…ｯﾌﾟッハハw』

セ「ッんふふw」


Aが吹き出すのにつられて笑う


『いやw無理wなんでそこハモるのw』


セ「笑うなやwそういう雰囲気ちゃうかったやんw」



自分も楽しくなって笑うと同時にAがさっきとは違ういつもの笑顔を見せてくれたことに酷く安堵した


いつもの2人の空気が本当に久しぶりに帰ってきたような気がした

皆様お久しぶりでございます→←塩小さじ24

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