今もずっと ページ9
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「あの日、Aのお母さんが倒れたって、聞いた時
正直もう終わったと思った · · ·
もう、会わないって思った。」
ぽつぽつ、と樹くんはゆっくりと話し出す。
あの日の私がしたことを。
「でも、何年経った今でも
お前のこと、忘れられないわ、」
自虐気味にそう話す樹くんは、
あの時と何ら変わってない。
だから会いに来た、
そう続ける樹くんは、いつもふざけていた樹くんとは打って変わった真剣な目をしていた。
今、でも · · · ?
「 · · · 私の事、許してくれてるの?」
あの日樹くんより母をとったこの私を、
樹くんは許してくれるのだろうか。
「 · · · 俺の夢は、今も昔も変わらないから」
樹くんは私の手を取り、自分の胸に当てる。
とくとく、
心臓の動く感覚。
「許す、許さないじゃなくて
俺は お前と一緒に居たい。」
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