昔のように ページ11
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あの日からまた、私は樹くんとの交際を始めた。
前と違うことは、
樹くんとお母さんの近くにアパートを借りて、2人で暮らしてるってことくらい。
「A、お弁当持った?」
樹くんは、ストライプ柄のスーツをきて、
きちっと髪型を決めて とてつもなくかっこいい。
何度見ても惚れ直しちゃう、
我ながら樹くんにめろめろだと思う。
いってきます、と
2人大体同じくらいの時間に家を出て、
帰ってくるのは私が少し早いくらい。
樹くんは、東京から島に戻ってきて、
新たな職場を見つけ奮闘している。
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『あれ?Aちゃん?』
その日はたまたま、お昼休憩の時間に小さなカフェで一息つきたい気分だった。
そんな小さなカフェに現れた懐かしい彼、
「 · · · 京本先輩、」
彼もまた、ストライプ柄のスーツを着ていた。
久しぶり!と顔の横で手を振って私の隣に座る京本先輩は、スーツに似合わない金髪を揺らしながらそっと微笑んだ。
樹くんといい、京本先輩といい
変わってないな。
同じ島にいたはずなのに、全然会ってなかった私たちは
昔話に花を咲かせ、休憩時間を忘れてしまいそうになるほどに話に夢中になっていた。
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