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貴方 side.
やっぱり、樹くんって何考えてるの分からない。
急に誘ってくるからどういう頭してんのかな、って思う。
少し重いドアを開けると、樹くんが言った通り翔太は何本かのボトルを持ってそこに居た。
「あ、A。どしたのぉ、」
なんだか今日の翔太は、いつにも増してバブい。
語尾が伸びてるような気がする。
「翔太、今日お客さんとアフター行くから
どっかで待っててよ。なんかあったらLINEするから」
最近翔太は、私のボディガード的な存在になりつつある。
舘さんはふっかと締め作業あるからなかなか言えないし、
照に頼むと絶対にアフター行くことを咎められるし、
佐久間にこないだ頼んだら “ アニメ観ないといけないでやんす！” なんてふざけたことを言っていた。
· · · 佐久間、私の事好きなくせにアニメの方が大事なのね
当然、他のみんなにも断られた。
阿部ちゃんに頼んだ時なんか、
“ ふっ、なんで俺が · · · ” みたいなニュアンスで断られたからもう一生頼まない。
その反対に、翔太は快く引き受けてくれる。
なんだかんだ、良い奴なんだよね翔太って。
「 · · · またアフター？頑張るねぇ、Aは。」
ふわふわと効果音がつきそうな声でそう言い、
よいしょ、とボトルを持ち上げて
「 ん！」
と言って、2本私に渡してきた。
· · · これ持てってことかな、
「まぁ、そういう事だからよろしくね」
私は翔太から渡された2本のボトルを受け取り、
翔太とボトル室のドアを開けて店内へと戻る。
キッチンへと目をやると、
最近入った森本くんと、ジェシーくんがせかせかしながらふっかの後を付いて回っていた。
みんな今日も一生懸命に働いている。
· · · 私も、頑張らなきゃ。
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