24 ページ25
「腹減ってしょーがねーな...」
そう言って山崎さんに肩を持たれて歩いてきた土方さん。
その足には銃弾の後が一つ。
「副長、アンタが勝手に突っ込んじゃうからです」
「つーか誰だ救護班先に帰した奴は...」
「それ以前にみんな帰ってたじゃないですか。」
私は土方さんを見て口を抑えた。
そんな姿、みる事は無いだろうと思っていた
「ひ、土方、さん...」
「ん?A...」
山崎さんが私の近くに来ると土方さんは私の前から手を回し、体重を掛けた。
「飯作ってなかったら切腹させんぞ...?」
「...作ってるに決まってるじゃないですか」
土方さんの笑った声が聞こえて、私も笑顔になる。
不器用だけど、そんな事言ってる私も少し不器用だ。
公務員と学生。保護者と子供。
楽しいけど、叶うはずない恋を私はしてしまった。
「ありがとな、A...。」
「あれ、随分と素直ですね」
「...お前が前よりいい女に見えたからだ」
「なっ...も、ひ、土方さ...ん」
「何恥ずかしがってんだ冗談に決まってんだろ」
「ちぇー」
「んだよちぇーって」
楽しい恋のお話は、まだまだ終わる気配はない様で。
_____________
「やっぱり病院行きですか」
「知らねー所に切り傷があっただけだ」
余程病院が嫌いなのか、土方さんはムスッとしていた。頭には包帯を巻いている。
「でも、なんで土方さんだけ怪我してるんですか?」
「あー...」
土方さんは私の方を水に、窓の外の景色をみつめていた。
「近藤さん達全部終わったと勘違いしてたから俺が1人で乗りこんじまった」
土方さんは頭をくしゃくしゃと掻く。
私はそんな土方さんを見てすこし胸が高鳴った。
「イケメンですね」
「は?」
土方さんは目を細めてこちらを見る。
頭がおかしいのか?と言った顔だ。
「お前なんか変なもんでも飲んだか?」
「いや、何で人を見てイケメンと言ったら駄目なんですか?」
「いや、柄じゃねぇなと思っただけだ」
土方さんはまた窓の外を眺めて言う。
「...それと、お前も俺みたいなのと付き合うんじゃーねぞ」
「なんでです?」
土方さんは少し下を向いた。
そして自分の手を眺める。
「こんな汚れた手で、お前を貰おうなんざ...
まぁ、そんな奴そうそう居ねェがな」
男はちゃんと選べってこった。と土方さんが付け足した。
そして机の上にある煙草を一本取り、火をつける。
「でも、土方さんは優しいじゃないですか」
174人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唐辛子の民(プロフ) - 雨さん» ありがとうございます! (2018年8月8日 14時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - みゃる猫さん» はい!出来れば甘々にしたいです笑 土方さんにももっと甘えて貰います(`ω´) (2018年8月8日 14時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - 零さん» うわお!!ごめんなさい!! (2018年8月8日 14時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 続編お願いします!! (2018年8月8日 6時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
みゃる猫(プロフ) - 続編とても楽しみです!!少しだけ大人になった夢主ちゃんも見れるのかな…?楽しみに待ってます( ー`дー´)キリッ (2018年8月8日 3時) (レス) id: 3492e1957d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年4月18日 19時