反抗期少女と警察のお話。【土方十四郎】 (ページ21)

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さぁ、とうとうこの日が来た。
歌舞伎町に来てから初めての登校日。

「ここから一人で行けるか？」

「はい、ありがとうございました」

土方さんに見送られて、学校の校門を潜った。
ある事を思いついて後ろに振り向く。

「土方さん！！」

車に乗った土方さんは、煙草を吸いながら窓から私を見た。

「忘れもんか？」

「はい」

ったく、めんどくせぇと土方さん。
私は土方さんの元へ駆け寄ると一言いって立ち去った。

「行ってきます」

土方さんの返事は聞こえなかったけど、きっと行ってらっしゃい位言ってくれている。
＿＿＿あの人は、優しいから。

「さて...職員室、何処だろう」

キョロキョロしていると、女の子に話しかけられる。

「アンタ、1年生か？」

「あ、いや...今日３年で転入して来た...ってか、して来る？えーと」

両手の人差し指をくっつけて下を向く私。
すると女の子は私を見て笑った。

「緊張してんじゃん、ははっ、面白いね。
で、こんな早くからどしたの？」

「職員室行かなきゃいけなくて」

「成程ね、案内してやんよ。ちなみに私は自習～偉いでしょ？」

にかっと笑う彼女。まるで男の子の様に元気だ。
ギャルっぽい女の子だが、顔は可愛らしいと思った。

「さて...。ここが職員室。
あ、それと私は咲矢由真(さきやゆうま)っつーから、よろしく！男みたいな名前だけどゆうまとかテキトーに呼んで！
私も3年だから同じクラスだといいね！」

「あ、ありがとう...」

由真ちゃんは手を振って階段を上って言ってしまった。電気がついた職員室にノックをして、ゆっくりと戸を開けた。

「失礼します、転入生の蓮見です...」

先生達の視線が一気に私に向いた。
ぎくっと効果音の出そうな顔になったであろう私に、１人の女性の先生。

「蓮見さん、よろしく。担任の石之(いしの)よ」

「(女性の先生か...)」

私がその先生を見つめていると、先生はクスッと笑った。

「可笑しい子ね、まだ少し早いから会議室で待ってもらおうかな。」

美人な先生だな、と見惚れた。
ショートカットの髪と凛とした顔に透き通るような声。
＿＿＿＿土方さんを取られる！

「せ、先生は男性のタイプとかあるんですか？」

「た、タイプ？」

先生は少し顔を赤くして言った。

「声が低い人...とか」

＿＿＿＿この人、まさか土方さんを...！？

「ほ、他は？」

「んー...不器用な人とか可愛らしいじゃない？」