十二 ページ12
Aside
それからというもの、入院生活と秋はあっという間に過ぎ、人肌恋しい時期になった。
1週間後、土方君は帰ってくる。
土方君のいない道場も楽しいけれど、なんだか物足りなかった。
1通り仕事が終わると、布団に潜った。
「土方君...」
今までの思い出が脳裏に浮かぶ。
小さい花火を見た。...喧嘩もした。
江戸にはいつ発つのだろう。
私は、近藤さんが...土方君がいなくなれば、どうしたら...?
思い出と共に、そんな事も浮かんだ。
そして、意味も無く涙が出てきた。
「(私の泣き虫...)」
麩がガラガラと音を立て、開いた。
そこには終君が居た。
[お久しぶりだz]
「うん、どうしたの?」
[莉花と喧嘩したz]
「...どーせ、莉花がやらかしたんでしょ?」
[悪いのは俺だz]
「なら、謝ったらいいじゃない」
[もう莉花の店に顔なんて出せない]
「...理由聞かせて」
それから理由を聞いた。
*
終side
[いつものお願いします]
「了解!!」
いつも通り、団子を頼む。
莉花の作った団子は絶品だ。
隣の席をチラッと見ると、ここに来るような柄では無さそうな人が座っている。
「お待たせ〜...うぁっ!?」
パリン、バタン。
色んな音が聞こえた。
[大丈夫か!?]
莉花が俺の横で何かに引っかかり、転けた。
どうやら俺の注文していた品を届けに来たらしかった。
「いつつ...」
「ねーちゃん、茶が掛かったんだけど?」
「クリーニング代とか払ってよ」
俺は見逃さなかった。男は足を出してこかしていた。
相手の胸倉を掴み、眉間にシワを寄せた。
[引っ掛けただろ]
「ひっかけてねーよ、なんでスケッチブック?」
[見てたんだよ]
「は?証拠は?なんでスケッチブック?」
「終君...もういいから」
その瞬間、俺は相手を殴った。
「終君!」
「いってぇな!なにすんだよ!」
「慰謝料も増えたな」
もう1発殴ろうとすると、莉花が叫んだ。
「終君!!もうどうでもいいから帰って!!!」
*
Aside
「あら、それで莉花、払ったの?」
[払ってないz]
「払ってないんかい。でも、それってお互い様じゃないの?」
終君は黙ったままだった。
下を向いて眉はしたに下がっていた、
「原因はそのチンピラで、莉花は言い方がキツ過ぎた。そして終君は店の態度を考えた方が良かった。」
「勿論、惚れた相手がそうなればだれだって守りたいと思うけど...やり方だよ。
莉花はそのやり方を好まなかった。」
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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年4月8日 19時