六 ページ7
「総悟君!」
総悟君を見ると、石場の所でこけていた。
それはかなり痛そうで、服もビチョビチョだった。
「うっ、…!Aさん、大丈夫です!俺痛くないですよ!」
ハッと顔を上げ、何を言うかと思えば意地を張る。
痛い癖に、弱いものを見せたくないのだろう。
私も、小さな頃はそんなものがあった。
「足、見せて」
「...」
血が出ていて、とても今すぐには治療ができなかった。
「...はい」
おんぶの体制を取ってやると、ゆっくりと乗ってきた。
相当痛いのだろう。
道場までおんぶで変えると総悟君は寝ていた。
時計が指すのは午後4:00。
寝ている総悟くんを起こさないようにゆっくりと下ろし、救急箱から消毒液と絆創膏を取り出す。
消毒液をかけると、痛くて起きたのか目を擦りながら起きた総悟。
状況をすぐに理解し、何も言わず自分の足を見ていた。
「はい、できた。じゃあもう帰ろうか?」
「もう帰るんですか?」
「だって怪我しちゃったんだもの。帰らないと痛いわよ?」
「分かりました。」
またおんぶしてやり、家まで送る。
「帰りましたよー!」
門から大きな声でいうと、タッタッタと言う足音が聞こえて、ミツバさんがひょこっと出てくる。
「あら、お帰り総ちゃん。Aちゃんもいつもありがとうね」
「いえいえ。あっ、そうだ。私がぼーっとしてたら、川で遊んでると怪我しちゃって。本当に申し訳ありません。」
「大丈夫よ。総ちゃんも楽しそうにしてたでしょう?」
そう言ってニコッと微笑むミツバさん。
やはり、この人の美しさには負ける。
「そうだわ、今日お鍋をしようとおもってるんだけど、
一緒にどうかしら」
いつもならご一緒させてもらうけど、今日は
「(あの子...帰ってくるかな)」
「Aちゃん?」
「あ、あぁ。すみません、今日は仕事があるので...」
「あら、そうなの?じゃあまた今度お誘いするわね」
「はい、またご一緒させてください。では。」
ミツバさんは私が見えなくなるまで見送ってくれた。
「夕暮れ時ね...」
あの子を気にかけてしまうようになってしまった
私は、まだこの感情がなにかしらずに居た。
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唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» ありがとうございます! (2018年2月25日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 唐辛子の民さん» まさかそこまで言って頂けるとは…。とても嬉しいです!ありがとうございます。これからも見に来ますね。陰ながら応援してます! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 8d78b160ba (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» まっ、まさかっ!?あの愛音様!?いつも見させていただいてます!こんな方に見ていただけるなんて何たる光栄!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - まかろんさん» いやもう私もなんでこんなに伸びてるのかわかりませんよ。w多分私は神でも天才でも無いです。なんかこんなに褒めていただくと照れますね。w楽しんでいただき何よりです!更新がんばります!よろしくお願いします! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 後れ馳せながら読ませていただきました。あなた様は天才ですか、神ですか、どっちですか。あ、秀才なんですかね。なんでこんな面白い小説書けるんですか、その文才分けてください。神は1人に二物も与えるんですね。楽しみにしてるので更新頑張って下さい! (2018年2月25日 15時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年2月24日 5時