エイプリールーフール篇 ページ38
(土方side)
稽古の休憩をしていると、突然Aが来た。
「土方君〜」
「Aか」
何故か突然止まり、顔を真っ赤にして下を向いた。
俺は心配になり、額に頭をくっつけた。
(美人な顔してんな...)
顔では平然を装っているが、俺だって女見て美人だとは思うし、もちろん心臓は速まるし。
「ちちちちちちがうから!!!!」
「?...なんだ?」
慌てて俺から離れた。
もしかして暑苦しかったか?
そして少し沈黙した後、先に口を開いたのはAだった。
「あ、あのね?実は...」
「...なんだよ」
「か、彼氏ができました!!」
...彼氏?
俺じゃねえ誰かに、俺じゃねえ男の女になったのか?
「...そーかよ」
イライラした。無性にイライラした。
今すぐにでもAを奪い返したい。
稽古場所に戻るとちょうど休憩が終わる五分前だった。
隣のカレンダーに目を移すと、三月のカレンダーは剥がれ、4月に。
「ちょちょちょちょ」
「んだよ」
俺を引き止め、何を言い出すかと思えば。
「彼氏!?誰っ!?とかあるじゃない!!」
俺はなんとなく空を見上げると、あることを思い出した。
___________
「トシなんて大っ嫌いだ!」
「為五郎さん!!待って!!」
「はは、嘘だよ泣くな。まだ午前中だろ?」
「うぅ、っ、なんで?」
「今日はエイプリールーフールだ」
「えいぷりーるふーる?」
「おう、午前中だけ嘘をついていいんだ」
「...じゃあ、僕も為五郎さん大嫌いだ」
「ははっ、そうだな」
_______________
「...俺にも女ができたんだよ」
そう言って笑うとAは固まった。
「えっ」
「えっ」
「近藤さぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!」
「待てぇえええええええ!!!」
_____
「どーゆーことだぁぁぁぁトシいいいいいい」
「うるっせえええええええええ!!!」
近藤さんとAは俺の肩をブンブンと揺らす。
脳が揺れてそろそろイライラして来だした頃に、おれはネタバラシをした。
「離せっ!!!」
「うおっ」
「...ったく、エイプリールーフールだよ」
「...ついていい嘘と悪い嘘があるだろおおお!!!」
「んだよ!?Aが先に...って、あれって嘘だよな?」
「えっ?い、いやほ、ほ、ホントだけど?」
「...嘘だな」
さっきやったように額をくっつけるとAはまた顔を赤くした。
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唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» ありがとうございます! (2018年2月25日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 唐辛子の民さん» まさかそこまで言って頂けるとは…。とても嬉しいです!ありがとうございます。これからも見に来ますね。陰ながら応援してます! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 8d78b160ba (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» まっ、まさかっ!?あの愛音様!?いつも見させていただいてます!こんな方に見ていただけるなんて何たる光栄!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - まかろんさん» いやもう私もなんでこんなに伸びてるのかわかりませんよ。w多分私は神でも天才でも無いです。なんかこんなに褒めていただくと照れますね。w楽しんでいただき何よりです!更新がんばります!よろしくお願いします! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 後れ馳せながら読ませていただきました。あなた様は天才ですか、神ですか、どっちですか。あ、秀才なんですかね。なんでこんな面白い小説書けるんですか、その文才分けてください。神は1人に二物も与えるんですね。楽しみにしてるので更新頑張って下さい! (2018年2月25日 15時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年2月24日 5時