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二十九 ページ34

ゆっくりと扉を開け、顔を覗かせたのは終君。
どうぞ、と言うとゆっくりと入ってきて地べたに座った。


「どうしたの?」


「(大丈夫?)」


「大丈夫...って、何が?」


「(土方さんと喧嘩をしていた)」



何故か凄く悲しそうな顔をした終君。
あれは私が悪いだけなのに...



「大丈夫大丈夫、私が悪いだけだし」


「(仲直りはしたの?)」


「...まだ、だよ」


「(はやく仲直りした方がいい)」



私は別の話題に変えたくて、暫く黙り込んでいた。
頭に浮かんだのは莉香の事。



「...っそうそう、莉香とはどうだったの?」


そう聞くと終君は慌ててノートに何かを書き始めた。


「(何もなかったZ)」


「嘘だぁ、誰にも言わないから言ってよ〜」


終君はすこし照れくさそうにスケッチブックに何かを書いた。


「(告白されたZ)」


「え、ええええええ!?」




終君は甘味屋にいた時、莉香の元気がないと心配していた。
その話をする為に莉香の家に残ったのだけれど...

まさか、告白するなんて。



「返事はどうしたの?」


「(まだ考え中だZ)」


「えー...断るの?」


「(多分OKするZ)」


「莉香に先越された...」



苦笑いしている終君。
するとまたスケッチブックに何か書き始めた。



「(みんな心配している)」


「うん、ちゃんと仲直りするね。」


「(おやすみだZ)」


「うん、おやすみ。」



終君が部屋から出る。

暇潰しに大きな封筒に手を伸ばした。
莉香から貰ったものだ。


_________


「うちのお父さん、江戸で会社設立しててさ」


「えぇ!?そうなの!?」


「うんうん、そんで田舎に住んでるから見たことないだろうって思ったんだか知らないけど...いろいろもらっちゃって」


「なっ、なにこれ」


「こすめ?ぐろす...とか唇に塗るらしい。」


「口紅じゃないの?」


「うん...多分。まぁ二つあるから一つ持ってきな?それとー...」



ゴソゴソと段ボールの中を漁る。
するとあった!と声を上げ、取り出したのは本



「雑誌だってさ、もう私読んだからあげるよ」


「ほ、ほぅ...」




__________




「って...キラキラし過ぎ」



この雑誌、まだ田舎者の私には見たことも無いような色だらけで...
キラッキラや!
ペラペラとページをめくると、「カレ♡カノコーナー」というものがあった。
彼氏と彼女の略...か。


「彼がキュンとする仕草...?」


「キッ、キスっ!?」


私は急いで本を閉じた。

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真撰組   
作品ジャンル:アニメ
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唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» ありがとうございます! (2018年2月25日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 唐辛子の民さん» まさかそこまで言って頂けるとは…。とても嬉しいです!ありがとうございます。これからも見に来ますね。陰ながら応援してます! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 8d78b160ba (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» まっ、まさかっ!?あの愛音様!?いつも見させていただいてます!こんな方に見ていただけるなんて何たる光栄!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - まかろんさん» いやもう私もなんでこんなに伸びてるのかわかりませんよ。w多分私は神でも天才でも無いです。なんかこんなに褒めていただくと照れますね。w楽しんでいただき何よりです!更新がんばります!よろしくお願いします! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 後れ馳せながら読ませていただきました。あなた様は天才ですか、神ですか、どっちですか。あ、秀才なんですかね。なんでこんな面白い小説書けるんですか、その文才分けてください。神は1人に二物も与えるんですね。楽しみにしてるので更新頑張って下さい! (2018年2月25日 15時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年2月24日 5時

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