二十七 ページ32
莉香side
「A、もう座ってな」
「わかった」
私が帰ろうとした時、終君は私の手を掴み止めた。
もちろん、私の心臓はバックバク。
「(お水をもう一つ貰ってもいいかな)」
「も、もう飲んだの?」
「(Aが来たから足りないでしょ?)」
「わ、わかった」
あー、やばい。
手、手を...握られたぁぁぁぁぁ!!!!
脈あり?これ脈ありぃ!?
「お待たせしました〜」
「今日も可愛いね〜Aちゃん」
「そんな事ないですったらぁ〜
お世辞言ってもサービスしませんよ〜?」
そんな会話をしていても、目線は終君に行くわけで。
隣の土方君とAは楽しそうに笑っていた。
私もあんな風に近づけたら...
あっ、終君Aに話しかけてる...
嫉妬なんて、らしくなくなったな〜...
思わず苦笑がこぼれ、心がズキズキ傷んだ。
その後も次々とお客さんに品を運んでは戻って。
終君の事見る暇もなくなってしまった。
「はぁ〜...」
やっと日が落ちてきた頃お客さんはほとんど帰ってしまっていた。
残ったのはA達。
なにやらゴソゴソと喋っているみたいで、私も気になって行ってみた。
「何話してんの?」
後ろから尋ねると終君は慌ててスケッチブックを隠した。
Aも少し驚いていて、でもすぐに微笑む。
土方君と近藤さんはため息をつき、だめだな、と呟く。
何が何だかさっぱり分からず、私は少し不機嫌になった。
「ねぇ、なんなの!?」
終君はまたびっくりし、キョロキョロと皆の方を見渡した。
「終君、言わないと怒っちゃうよ?私達先帰っとくから」
「え、帰るん?」
「うん、なにか伝えたいみたいだし」
「また来てなー!」
見送ると、終君の方を向いた。
時計が指すのは午後6時。
閉店時間だった。
「先お店閉めるから、家入ってていいよ」
お店を閉めると椅子も机も片付けるのでとりあえず家に入ってもらう事に。
...Aら、今何してんのかな。
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唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» ありがとうございます! (2018年2月25日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 唐辛子の民さん» まさかそこまで言って頂けるとは…。とても嬉しいです!ありがとうございます。これからも見に来ますね。陰ながら応援してます! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 8d78b160ba (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» まっ、まさかっ!?あの愛音様!?いつも見させていただいてます!こんな方に見ていただけるなんて何たる光栄!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - まかろんさん» いやもう私もなんでこんなに伸びてるのかわかりませんよ。w多分私は神でも天才でも無いです。なんかこんなに褒めていただくと照れますね。w楽しんでいただき何よりです!更新がんばります!よろしくお願いします! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 後れ馳せながら読ませていただきました。あなた様は天才ですか、神ですか、どっちですか。あ、秀才なんですかね。なんでこんな面白い小説書けるんですか、その文才分けてください。神は1人に二物も与えるんですね。楽しみにしてるので更新頑張って下さい! (2018年2月25日 15時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年2月24日 5時