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十四 ページ18

それから、1週間。
私は小さい頃少しお世話になった人に会いに行くことになった。

つい昨日、手紙が来て 顔が見たい と書かれていたので喜んで行くことに。
そして今、準備している最中。


「おい」


「土方君、どうしたの?」


「ほんとに1人で大丈夫か?」


「大丈夫ですよ。少し遠いけどね」


「何かあったら走って逃げろよ」


「ふふ、分かってますよ。」


「ほら、これ」


「これ...お土産?と...髪紐?」


「世話になった人に会いに行くのに土産も用意してねぇんだろ。持ってけ
髪紐は...この前通りかかった店に売ってたんだ。
お前が好きそうな色だしな」

渡されたのは、赤色の髪紐。


「ありがとう。」




準備を済ませ、私は門で立ち止まる。
後ろには近藤さんを始め、道場のみんながいる。
みんな心配してくれているようだ。


「ちゃんと家事、みんなで手分けしてやってくださいよ?」


「Aちゃん!早く帰ってきて!」


「2日だけです。帰ってきて散らかってたらお説教ですからね?」

そう言うと、彼らはみんな苦笑してこりゃ忙しくなるぜ?と言う。

みんなが笑う中、そっと近寄ってきたのは彼。


「A」


「心配ならもうしなくて大丈夫。」


「でも...その」


彼は頭を掻きながら、こう言う。


「怪我でもしちまったら...」


彼は意外と母性本能が強いのかもしれない。
怪我なんて彼はいつもしているのに。


「大丈夫、向こうに行けば帰りは送ってくれるみたいだし。それに


...これ。」


土方君からもらった髪紐を、私は腕につけていた。


「こうした方が見えやすいでしょ?」


彼はいつものようにそっぽを向いた。
そして私の頭を乱暴に撫でる。


「...早く行ってこい」


「行ってきます」



道場に背を向け、私は歩き出した。




久々に一人で歩くこの道は、なんだか寂しい。
まだ夏の武州では虫や鳥の鳴き声がうるさい。

でも、そんなうるささも心地がいい。





それから数時間、私は歩き続けた。
途中、公園の椅子でお弁当を食べた。

そしてまた数時間歩き、とうとう目的地についた。



「Aちゃん...!」


「宮城さん!」


玄関で座って待っていた宮城さんとハグをする。
この人は、私の恩人なのだ。


「待っていたよ、来てくれてありがとう」


とにかく上がってくれ、と言われ私は家に入れさせてもらった。

この匂い...懐かしい。

「変わってませんね...」

「そうだろ?ささ、お茶を入れてあげよう」

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真撰組   
作品ジャンル:アニメ
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唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» ありがとうございます! (2018年2月25日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 唐辛子の民さん» まさかそこまで言って頂けるとは…。とても嬉しいです!ありがとうございます。これからも見に来ますね。陰ながら応援してます! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 8d78b160ba (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» まっ、まさかっ!?あの愛音様!?いつも見させていただいてます!こんな方に見ていただけるなんて何たる光栄!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - まかろんさん» いやもう私もなんでこんなに伸びてるのかわかりませんよ。w多分私は神でも天才でも無いです。なんかこんなに褒めていただくと照れますね。w楽しんでいただき何よりです!更新がんばります!よろしくお願いします! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 後れ馳せながら読ませていただきました。あなた様は天才ですか、神ですか、どっちですか。あ、秀才なんですかね。なんでこんな面白い小説書けるんですか、その文才分けてください。神は1人に二物も与えるんですね。楽しみにしてるので更新頑張って下さい! (2018年2月25日 15時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年2月24日 5時

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