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十三 ページ17

そのまま坂を登っていくと、綺麗な景色が見えるところに辿りついた。
彼は立ち止まり、景色を眺める。


「...野暮用って?」


「まぁ、見とけ」


彼は景色を見たまま言った。
すると、数秒後。

遠くで小さな花火があがった。



「...小せぇが綺麗だろ」


「野暮用って、まさか...?」


「この前ここを見つけてな。道場の奴らがあの辺で花火があがるって言ってたもんだから」


「私に見せるために?」


「...お前が居ねぇと外に出た時近藤さんに探されるから」


そう言ってそっぽを向いてしまった。


「...次は連れてってやるよ」


「また、1年後ですね」


「...それまで、居るのか」


「道場にですか?」


「あぁ」


「私が道場で働いているのは近藤さんの恩返しです。
だから、絶対に居ますよ」



花火もクライマックスで、派手になっていく。
そして遅れて聞こえてくる音は増えていく。


「貴方こそ、いるんですか」


そう尋ねると、彼はまた花火を見たまま答える。


「俺も...感謝しねぇといけねぇ人が二人もいるもんでな」


「2人...?」


「あぁ、近藤さんと...お前」


「わ、私ですか!?」


私は過去になにか感謝されるようなことをしただろうか。
花火は更に派手になっていく。
それに気を取られて、私は喋らずにいた。


花火は終わってしまった。
悲しくなってしまったのはきっと、彼と2人限りでいる時間が終わってしまったから。


「花火、終わっちゃいましたね」


「あぁ。」


「...帰りましょうか」


「あぁ。」



彼が来た道を戻っていき、私もそれについていく。
坂道を下り終わると彼は少しスピードを遅くし、私の隣を歩く。


「おい」


「?はい」


「俺の呼び方を...その」


彼は頭をかきながら照れくさそうにこう言った。


「名前、とか」


十四郎、トシ...恥ずかしくって、呼べるわけがない。
失礼かもしれないけど。


「...土方君でもいいかな」


「別にいいけど...」


「その、名前は恥ずかしいから」


「そ、そうかよ」


また彼は照れくさそうにする。
照れ性なのかこの人は。


道場に着き、帰りましたよと大きい声で言う。
するとみんながおかえり!と言ってくれる。

私の居場所は、温かい。



そんな中、私に迫っていたのは"悪夢"。



?side


(かしら)、準備が出来ました」

「よくやった。1週間後、任務に取り掛かる。」


待ってろ、籐咲A。

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真撰組   
作品ジャンル:アニメ
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唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» ありがとうございます! (2018年2月25日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 唐辛子の民さん» まさかそこまで言って頂けるとは…。とても嬉しいです!ありがとうございます。これからも見に来ますね。陰ながら応援してます! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 8d78b160ba (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» まっ、まさかっ!?あの愛音様!?いつも見させていただいてます!こんな方に見ていただけるなんて何たる光栄!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - まかろんさん» いやもう私もなんでこんなに伸びてるのかわかりませんよ。w多分私は神でも天才でも無いです。なんかこんなに褒めていただくと照れますね。w楽しんでいただき何よりです!更新がんばります!よろしくお願いします! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 後れ馳せながら読ませていただきました。あなた様は天才ですか、神ですか、どっちですか。あ、秀才なんですかね。なんでこんな面白い小説書けるんですか、その文才分けてください。神は1人に二物も与えるんですね。楽しみにしてるので更新頑張って下さい! (2018年2月25日 15時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年2月24日 5時

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