反 抗 期 少 女 と 警 察 の お 話 。【土方十四郎】

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「おい由真」

「あ、ごめん彼氏に呼ばれたから行ってくる」

「…しね」

「ごめん無理」




*





借り物競争と言えば、

「赤いもの」

だとか

「被り物」

だとか、そんなものが多い。

だがリレー式のこの借り物競争、銀魂高校のお題は普通では無い。

「成程、人も入る訳か。」

家族 親友 彼氏 彼女 、この様なお題も入る。
彼氏彼女が居ない人はどうしろという話だが
私がもし彼氏を引いた場合どうすればいいんだ

「…土方さん連れてく訳にはいかんし、総悟でいっかな」

事情は後から説明すればいい話だから、そういうことにしておこう。

圧倒的に今まで買っていた黄色チームZ組だが、うちのクラスだけ嫌がらせの様にお題が難しく。


「さて！第二走者Ｚ組！お題は…モンハンの肉が得意料理の人、です！！」


何またそんなにマニアックな。
それは現実で得意なのか、モンハンの世界で得意なのか。
それなのにちゃんと居るモンハンの肉が得意料理の人。

「ってアレじじいじゃねーか
孫の体育祭見に来ただけだろ
絶対にモンハンの肉得意じゃねーだろ」

1回戦が終わり、そのおじいさんにインタビューが行われた。

「モンハンの肉はお得意なんですか？」

「えぇ？」

「モンハンの肉はお得意なんですか？」

「なんだってぇ？」

「モンハンの肉はお得意なんですか！？」

「えぇ？」

「では、2回戦を続けたいと思います、選手はご起立ください」


とびっきりの笑顔でアナウンスをする放送部。
じいさんは少し機嫌が悪そうだが、ツッコミどころ満載で私には手を負えない。
どこぞの人気投票8位のメガネ君じゃなければ。




*




「宇留川！！走れよ！！あ！？」



２走者目の宇留川のお題は「美術部」。
そこそこイケメンの男子の腕を掴んでは走っていたのだが、宇留川のおねだりのせいなのかおかげなのか、イケメン君がお姫様抱っこで走る事に。

だが、奇跡的に足が遅い。
歩いてるんじゃねーかって思うくらい。
それか、宇留川が重いのか。


「Ｚ組２走者目がゴールしました！遅れていますが差は縮められるのでしょうか！？」


３走者目の由真が紙をとる。

「Ｚ組３走者目、お題は「ドS」です！！」




すぐさま走っていったのは総悟の所だ。
ドSには間違いないのだけれど、あれは彼氏が妬くのではないだろうか。私なら妬く。

「足遅ェんでィ」

「もっと優しい言葉を使えないのかしらね」

そんな声が聞こえるが、そろそろバトンは私の元へ来る。

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