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「それではここで、保護者の皆様にも回答して頂こうと思います。」
「先程の蓮見さんと宇留川さんの保護者様と、その両隣の方、よければこちらの問題お願いします」
「ざまぁ土方さん総悟」
「お前ぶち犯す(ボソッ)」
「そんな発言教室では禁句です」
保護者の両隣、イコール近藤さん土方さん総悟。
近藤さんに関してはなんだかノリノリなのだけれど目立ってしょうがない。
なんだか恥ずかしい。
周囲の女子の目は既にハート型で手遅れだ。
案外土方さんも総悟もスラッと書いてしまい、すぐに後ろに帰っていこうとしたのだが近藤さんが物凄く迷っていた。
「難しいでしょうか?」
「いえ、大丈夫ですよ!」
「頑張って下さい」
おしとやかな担任と近藤さんが喋ると少し夫婦っぽくて和む。
土方さんは溜息をつき近藤さんの問題を手伝った。
たしかに私も大して頭良くないけど分からない。
「由真分かる?」
「分からない…」
「あれ、土方さんスラッと解いちゃったじゃん」
「本当だ」
「数学お得意なんですか?」
「…まぁ」
担任の柔らかい声に無愛想な答え方をする土方さん。でも担任は全てを見抜いている様にずっとニコニコしていた。
何を見抜いているかと言えば「土方さんの不器用さ」とかだ。
「では、解答確認していきますね」
「1番の土方さん近藤さんペア、大正解です」
担任は軽く拍手をすると私達も拍手した。
近藤さんは少し照れていたが、やったのは殆ど土方さんじゃん、と内心つっこみながらも黒板に目を戻した。
「2番土方さん、正解です。」
「3番…」
名前が分からないのか総悟をずっと見つめる担任。
「…先生、こいつ沖田です」
「あら、失礼しました。沖田さん正解です」
「こいつとはどの口が言ってんでィ」
「この口、奪い取ってみる?」
「もぎ取りてェよ」
なんだかんだで宇留川の両親も正解していて、授業はなんとなくで終わった。
「今日はありがとうございました」
わざわざお礼を言いに来た担任に近藤さんは深く頭を下げた。
「いえいえ、騒がしくて申し訳ございません」
「見ていて面白かったです。ありがとうございます」
「そりゃうれしいんですがねィ。
この腐れ副長がさっきは無愛想な返事しちまってすいやせん」
「無愛想じゃねーよ!」
「いや無愛想でしたよ土方さん」
「…」
私が即答してみると土方さんは黙り込んだ。
「大丈夫ですよ、こんな綺麗な方にお返事頂いただけでも嬉しいです」
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唐辛子の民(プロフ) - な、な、なんと...全て読んでくださるなど天使ですか、神ですか?あ、仏ですか。了解しました。応援ありがとございますゥゥゥゥ!!頑張りやすゥゥゥゥ!!! (2018年8月21日 3時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
こくろん(プロフ) - 初めて唐辛子の民さんの作品を読みました!もう面白くって作品全て読んじゃいましたw応援してます!頑張ってください! (2018年8月20日 17時) (レス) id: 0640f47a0f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - カラ松ガールさん» 愛してます。ありがとうございます。嫉妬系大好きでございます。リクエストありがとうございます!では、早速作成してきます! (2018年8月16日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール - 過激ですかね。。。すいません。 (2018年8月16日 23時) (レス) id: 146ccfef01 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール - 土方さんが夢主の部屋に入った時、夢主が床どんされてる状況を見て嫉妬してしまう土方さんがみたいです! (2018年8月16日 23時) (レス) id: 146ccfef01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年8月12日 23時