【d!】猫の下。【男主】

７話 ページ10

部屋に駆け込んだタイミングで名前を呼ばれた

間に合ってよかった

ありがとう、ゾム


兵士さんに連れられて入った小部屋で武器を選ぶ

色々あるけど、取り合えず無難なものを、と思ってゴム製のナイフを手に取った


実技試験の勝利条件は気絶させるか、相手が降参すること

ただし、殺したら即失格

そんな説明を兵士さんに受ける


精一杯頑張ろう



一回戦の相手は同い年くらいの男の子


開始後直ぐに近付いて、首を掴んで地面に叩きつける

そのまま手に力を入れて気絶寸前で手を放す

相手が懸命に息を吸っているので、首にそっとナイフを当てた

絞めたままでもよかったけど、息ができないのはつらいからね


勝ち、って言われた後にその子に謝ったら、「僕の分も頑張って」と応援された
良い子だ…頑張ろう


この試合中ずっと鋭い視線を感じていた

視線をたどった先にいたのはゾム


ワァ ドウシタンダロウ．シセンガ イタイナ



二回戦は大柄な男


まっすぐ突っ込んできたけど隙だらけだったから足を引っかけたら盛大に転んだ

上に乗って両腕を踏んで固定した後首にナイフを当てた



三回戦は偉そうな男


本人も言っていたけど貴族らしくて、一・二回戦は金の力で飛ばしたらしい


どうでもいいけど、俺貴族って昔から嫌いなんだよね

皆を自分たちのわがままで困らせてたし、まぁ色々と


「跪け」とかなんとか言ってきたから、ちょっとイラっとして思い切り蹴ってしまった

壁にぶつかって動かなくなったから焦ったけど、息があったから安心した


すっきりしたなんて思ってないよ


…

なんか思ってたよりすんなりと終わったから、少し焦る

おかしいな
俺は普通くらいなのに…


今回の人達の質が悪かったのか、俺の運が良かったのか

どちらにせよラッキー


それより、これで入軍できる！！


そしてこの後、幹部と優秀な新兵が戦うイベントがある


よし、早速最前席に移動しよう

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