133話 ページ36
〜dream is back side〜
Aside
光の届かない、黒い部屋の中
獅子の子の心の裏側
ここはなんとも＿＿＿＿＿虚しい
どこもかしこも真っ黒
それはリドル先輩の時と変わらないけれど…
色褪せている印象を受ける
日に焼けて霞んだ古い写真のように。酸化して錆びきった鋼のように。
どこまでもどこまでも、果てなく続く砂漠に吹くような風だけが、ヒュウゥと乾いて吹き抜ける
荒野に取り残された銀貨のように
ただポツリと、色褪せて捨て去られたものなのに、そこにあるという事実はどうしたってなくならない
それでいて、光の差し込まない閉ざされた洞窟の中のような冷たさもある
雁字搦めに覆い尽くされていたリドル先輩と違って、何もなさすぎて動けないんだ
足下は砂で覆われており、植物の気配は無い
砂はサラサラとした乾いた褪せた砂色だけど……あ、違う
ただの砂じゃない。当たり前か、彼の心の中なんだから
目を凝らして砂を見ると、時折ふと別の色彩を見せる
お生い茂る森林の翠。暖かく鮮やかな花の桃色。せせらぎを思わせる川の水色。
そして一番多いのが、朝焼けとも夕焼けとも思わせる、金色。
砂は、時々夢にでも見て思い出したかのように、そんな色を映す
ただし、フィルターがかかったようにボヤけていて、それでいて淡く弱々しい
本来は色鮮やかであろうその色はきっと、彼の思い出だ
彼が夢見たこと、存在していた幸せな思い出
敷き詰められた砂は全部、そんな彼の思い出や夢だ。幸福だったものだ
それをあの子は砂にしたのか……半ば自棄にも近いそれは、不公平への諦めと遣る瀬無さ
それでも時折色を見せるのは、忘れることが出来ないから
無かったことに、無碍にできないから
期待する心が、ゼロにならないから
足下から視線を上げて、前を向く
部屋の中心には、古びた鎖に繋がれた一頭のライオン
光源はないはずなのに、ライオンは逆光姿で、ほとんど輪郭のみを映す
＿＿＿＿あぁ、この光は、彼が第一王子の“裏”だということの表しか
美しく輝く筈の毛並みは、くすんでいた
【ガルルル……】
近付くと、ジャラジャラと鎖を鳴らし
こちらを威嚇してくる
それが、君の出来る精一杯の叫びだと、容易に理解った
叫びたいけど…その気力すら、不公平に感じる
……喉、乾いてるだろうなぁ……もうずっと、ずっと前から
暗転
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架藍 - リクいいですか？番外編で、リドル君達にいった時代の夢主ちゃんが現れたらとゆうものをお願いします(^_^) (ごめんなさい説明下手くそで…) (2020年10月27日 18時) (
レス) id: 7e47203457 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - めっちゃ話が変わるんですけど、次新作出すなら、文豪とアルケミストがいいです。あ、もちろんイケメンチート夢主ちゃんでお願いします！ (2020年10月8日 17時) (レス) id: 0b5d3da0f0 (このIDを非表示/違反報告)
零月 - ありがとうございます！ (2020年10月4日 9時) (レス) id: e13128236a (このIDを非表示/違反報告)
白火 - とても面白いです! 応援してます！ (2020年10月4日 8時) (レス) id: 497ce3a125 (このIDを非表示/違反報告)
零月 - 輪廻さん» ちゃんと可愛いところもありますよー！(多分)← (2020年9月21日 18時) (レス) id: e13128236a (このIDを非表示/違反報告)
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