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#26 ページ26

side 広臣

臣「涼太…?なんであんなことっ…」

涼「ハァハァハァハァッ……ごめんなさっ…ごめっ…ハァハァハァハァ…」

臣「涼太っ!落ち着いて、大丈夫だから!」



俺が話を切り出すと、突然息が荒くなる涼太。

過呼吸気味になりながら謝るから、苦しそうで。


臣「大丈夫、大丈夫」

他に言葉が見つからなくて。




涼「ハァハァハァハァ……あーっ!…ヒュッ…」

龍「涼太っ!」



パニックに陥った涼太は、俺の声なんて届いていない。

涼太がパニックのまま叫んだとほぼ同時に、病室のドアが勢いよく開いて。



龍「涼太っ…」


龍友が飛び込んでくるなり、涼太を抱きしめた。



龍「涼太、僕やで。龍友やで。ここにおるよ」


パニックの涼太は、龍友を上手く認識できていないのだろうか。

力任せに龍友を振り払おうとしていて。


龍「涼太、りょーた…怖くないで」



それでも龍友は、涼太を離さなかった。

ここは龍友に任せておくのが最善だと考え、俺は看護師さんを呼んだ。


とりあえず点滴を片付け、今やり直しても無駄だろうということで、またしばらくしてから付けることに。

花瓶の破片も一つ残らずしっかり回収。


花はもったいないけど、ここに置いておくのは少し危険な気もして。


看護師さんに事情を話し、病院に花を寄付することにした。









龍「ん、偉いな。もう大丈夫やで…そうそう、」


とりあえず病室は綺麗になったところで振り向くと。




涼太は大人しく、龍友に抱きしめられていた。


そして。





涼「ごめっ…なさっ…わかっ、なくてっ…」

小さくて、震えた声。

静かな病室には、しっかり響いていた。



臣「大丈夫。気にすんな」

龍「涼太は悪くないで」



龍友に抱きしめられている涼太の頭を撫でる。

今の言葉を聞いて、花瓶の破片を持っていた涼太を思い出す。



あれは、単にパニックになっていただけで。

パニックになって咄嗟に近くにあった破片を掴んでしまっただけであって。

決して自分自身を傷つけようとしたわけじゃないんだと感じた。









臣「びっくりしたな。誰もいないし、スタンド倒れちゃうし、花瓶割れちゃうし…だもんな」

涼「でも、俺がっ…」

龍「んーん、僕が一緒におればびっくりすることなかったんやもん。僕が悪い」

臣「龍友がってか、俺ら2人な」


それから少し、沈黙が流れて。

臣「涼太…もっと、甘えていいんだよ?」

静かな中、思わずそう言っていた。

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りさ - 完結おめでとうございます(*^-^*)作者さんのペースで書き続けて下さい(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page34 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 完結おめでとうございます(*^-^*)作者さんの書き続けて下さい(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page34 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
りさ - jdhchebbdnさん» いえいえ(*^-^*) (2021年9月22日 4時) (レス) @page33 id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)
jdhchebbdn(プロフ) - りささん» ありがとうございます (2021年9月20日 22時) (レス) id: 23d7ad1fb8 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 作者さんが決めることなので無理には言いませんが続けて欲しいなと思ってます(*^-^*) (2021年9月20日 3時) (レス) id: fac51451cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:jdhchebbdn | 作成日時:2021年8月21日 18時

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