#46 ページ46
side亜嵐
"龍友くん、龍友くん"
そう言って龍友くんの後ろをちょこちょこ着いていく涼太。
きっと、寂しさの反動。
病院では毎日誰かしらが付き添ってたとはいえ、あくまで1日に会えるのは1人。
ましてや涼太にとって1番の安定剤であろう龍友くんと会えるのは、6日に1回だけ。
ほとんど週に１回だけみたいなもの。
1人が好きだと言いながらも、本当は寂しがりやの涼太。
そんな涼太が、それに耐えられるはずがない。
涼「龍友くん、龍友くん」
龍「ん？」
涼「海、行きましょ？」
龍「はぁ？お前、今日退院したばっかやで？」
涼「だからですよ！やっと行けるんですよ？」
はぁ、なんて言いながら、呆れながら苦笑いを浮かべる龍友くんと目が合う。
龍友くんだって、涼太の "わがまま" をできるだけ聞いてあげたいんだと思う。
でも、やっぱり涼太の体調と心臓が心配で。
踏みとどまってしまう部分があるんだ。
龍「10分だけ。10分したら帰ってくるで」
涼「へ、？」
龍「あとちゃんと上着着ること。行かんの？」
涼「行く！取ってくる！」
龍「ちょ、走んなよ！」
バタバタと階段を上がってゆく涼太を目で追ってから、龍友くんと目を合わせた。
さっき、お願いしたところだ。
涼太のわがまま、できるだけというか、全部聞いてあげてほしいと。
もちろん、簡単なことなんかじゃないとわかっているけど。
龍「嬉しそうな顔しよって…(笑)」
亜「ただ海を見ることでも、涼太にとっては凄い幸せというか、嬉しいことなんだよね」
龍「せやな…病院じゃ見れんもんな」
亜「俺らの当たり前と涼太の当たり前は違う。こんなに近くにあるのに、毎日行ける場所じゃないんだよね、」
思わず、2人で黙り込んでしまった。
気付いてたはずだったのに。
それでもいざこうして目の当たりにして、どこかショックを受けている自分がいた。
涼「龍友くん！早く！」
忙しない足音と共に、涼太が戻ってくる。
涼「どうしたんすか？」
亜「んーん、行ってらっしゃい。天気いいから、綺麗な水平線が見れるかもね」
涼「見てくる！行ってきます！」
涼太の曇りないあの笑顔を見ていると、何も言えなくなる。
これからも小さな幸せを叶えてあげられますようにと、俺は見えない水平線に願った。
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リクエストありがとうございました！(短くてすみません…)
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りさ - 新作楽しみにしてます(*^-^*) (2021年11月15日 3時) (
レス) @page50 id: 96e86ff224 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめか(プロフ) - 下書きの公開楽しみです😊✨ (2021年11月13日 18時) (レス) id: e790979a11 (このIDを非表示/違反報告)
葡萄 - お父さんがめんさん、お兄ちゃんが亜嵐か、裕太かがいいです (2021年11月2日 12時) (レス) @page50 id: 9560844fb8 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 涼太くんがいいです(*^-^*)新作楽しみにしてます(*^-^*) (2021年10月31日 3時) (レス) @page50 id: e43e150c6b (このIDを非表示/違反報告)
さらん - あらんくんがいいです (2021年10月29日 11時) (レス) @page48 id: d9f6645eb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jdhchebbdn | 作成日時：2021年8月7日 21時
