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「じゃ、まずは葛葉の彼氏さんに自己紹介してもらおうかな〜」
楽しそうにそう言った叶は、カタカタとキーボードを触り、テロップを出した。
「名前は言えないと思うので、誕生日、好きな食べ物、好きなゲームを教えてください!」
どーぞ!と丸投げする叶の顔を見つめて、閃ちゃんは口を開いた。
「下の名前くらいならいいよ。初めまして、こんにちは、閃と言います。誕生日は先月の24日、サーシャが、あ、葛葉が盛大に祝ってくれました。好きな食べ物はオムライスとラーメンと肉。ゲームは…そうだなぁ、そんな得意じゃないけど、マリカとかスマブラをよく葛葉と一緒にやるくらい」
淡々と答えていく様子を見て、俺はまだ口を閉ざしていた。
でも、コメント欄と叶は楽しそうだった。
>名前かっこよ
>葛葉盛大に祝ったんウケるかわいいかよ
>だからオムライス作ってたのか〜
「はは、誕生日の時はクラッカーまで用意してたからね。…みんなが思ってるより、葛葉は弱いし、お子様だけど、俺の自慢の恋人なので。…ね」
ね、とこちらを見つめる瞳から目を離せず、うっせ、と返してしまった。
少し緊張が和らいで、口元が緩んできた。
「そんなこと言うけど、こいつだってマリカした時何回やっても俺に勝てなくてその日の晩飯にピーマン出てきたから。大人気ない」
「好き嫌い多い方が悪いだろ」
「ピーマンきらい!」
いつもの調子に戻ってきた俺を見て、叶は、どっちもどっちだな〜、と話に混ざってきた。
どうしよう、楽しい。
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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2022年9月7日 11時