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結局その日は不動産屋が混んでいて話は聞けなかった。
残念がった顔を横に並べて、食料品へと入る。俺は帰ると言ったのだが、1人は寂しいと駄々をこねる年上のガキに付き合うことにした。
「明日また行ってみようよ、今日祝日だし混んでるよなぁ。あ、今日オムライスでいい?」
「あー、明日は平日だからな。お前今日もうちくんの」
「どうせ明日俺もお前も休みだし。え、だっていつものことじゃん」
「‥まぁ、いいわ。オムライスにすんならめっちゃ美味くしろよ」
「あーちゃん俺の飯大好きだもんなー」
銀髪と金髪のよくわからないヤンキー2人が食料品をカゴを持って歩いていたら、そりゃ避けて通るよな、と思う。
俺は右耳たぶに2つ、左耳たぶに1つのピアス。それに比べて、こーたは両耳合わせて一体10何個のピアスがあるんだ。こいつの全裸なんて見飽きてるけど、確かへそにも2つくらい開いてた気がする。
‥軟骨、ちょっと開けたいんだよなぁ。
こいつ、ニードルで自分で開けてるって言ってたし、人のも開けられるよな。
「なぁ、こーた」
「え、もしかして、孝太郎⁉」
俺の声を被せて甲高い声を出したのは、チャラチャラとしたケバい女。
‥ああ、客か。
こーたに馴れ馴れしく話しかけるその女を見て、瞬時に俺はそう察した。
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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2018年9月7日 23時