検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:19,761 hit

第四話:我が家/正午/晴天 ページ4

皆さん覚えているだろうか、
道端で倒れていた青年が今私宅の台所で料理を作っている。
包丁の音と香ばしい鮭の匂いと味噌の特有の匂いが立ち込めてくる。

これは夢なのかと自分の二の腕を掴んだらふにふにしていた。
夢では無い。
何の基準だと自分で問い乍この状況について考えていると、
青年と目が合い、青年が一言。

「嗚呼、起きたのか……」

すかさず私は質問を投げかける

「貴方誰ですか?」

「お初にお目にかかる僕は芥川。先程は怪我した所を助けて頂き誠に感謝している。」

御丁寧に返された。
少しの間沈黙が続く。
気まずさを感じ、また質問を投げかける。

「お、御名前は、苗字が僕で名前が芥川なのですか、珍しいですね。」

「否、僕は一人称……名前は芥川龍之介だ…」

僕芥川じゃないのか。

「じゃあ、芥川さんって呼ばせて頂きますね!」

「……………………」

芥川さんが目を逸らす、スルーされた。

芥川さんは、
御味噌汁と焼き鮭、筍ご飯(たけのこごはん)その他諸々をリビングの机に置く。
席に座り、無言の圧力で御飯だ此方へ来いと語り掛けてきた。
私は、喜び乍其方に芥川さんの向かいの席について机を眺める。

机には、
蜆(しじみ)とわかめが入った御味噌汁。
ほんのりと身に焼き色がついた焼き鮭。
筍と三つ葉がほどよく混ざった筍ご飯。
この三つがメインの様でその他にも、
人参と赤根草(ほうれんそう)の煮付け、冷奴、ほうじ茶が置かれていた。

すこぶる美味そうである。

キラキラした瞳で机に置かれた料理を見ていると、
向かいの席に座っている芥川さんがクスッと綻んだ気がする。

「頂きます!」

先ずは筍ご飯、筍と三つ葉が乗った所を1口たべてみる。
少し熱くてほふほふしていたら、芥川さんに笑われた。
コリッとした筍が味の付いた御飯ととても合う。

「芥川さん!筍ご飯とても美味しいです!」

「其れは……良かった。」


次は焼き鮭、ほんのり色味が付いた部分を箸で摘み取り口に入れる。
絶妙な塩加減で、柔らかい身(み)美味しい。

「芥川さん!焼き鮭もとても美味しいです!」


次は御味噌汁、ふーふーと息を吹きかけ冷ましてから蜆と共に御汁を啜る。
蜆の旨みと御味噌の濃い味がとても癖になる。

「芥川さん!御味噌汁もとても美味しいです!」


芥川さん凄く嬉しそうにしていた。


※文字数の関係で次いきます

・→←第二話:中華街/正午/晴天



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
73人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月仍 - 敦君の笑顔の絵がすごく上手で鼻血が出ました………。とても面白かったです!頑張ってください! (2017年12月26日 17時) (レス) id: e756010da3 (このIDを非表示/違反報告)
田道間守(プロフ) - 十夜さん» コメント有難うございます!たじまもりであっています!絵の事をほめてくださるとは…嬉しいかぎりです。更新がんばります! (2017年10月29日 20時) (レス) id: 735b857d79 (このIDを非表示/違反報告)
田道間守(プロフ) - karenyoshi0308さん» コメント有難うございます!丁度ディ○ニークイズしてたもので… (2017年10月29日 20時) (レス) id: 735b857d79 (このIDを非表示/違反報告)
十夜 - 田道間守 ってたじまもりであってますか? とても絵が上手いです。更新頑張って下さい。 (2017年10月21日 18時) (レス) id: a38d0a18a5 (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - フライパンwラプンツェルですね!!ww (2017年9月15日 20時) (レス) id: 9850d3be56 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紺野 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年4月26日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。