検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:19,762 hit

序章:我が家/朝/晴天 ページ1

朝、目が覚める。
朝と云っても時計の針は午後十一時を回っているが。
私小野Aは、まだ見慣れない天井を見つめた侭薄らと目を細めた。

今の季節は春だ、四月の中頃。
現在十九歳。
無職であり、恋愛経験零という碌(ろく)でもない野郎だ。
最近は此のヨコハマに在る高層マンションに引っ越してきた。

普通に中学、高校…と順調に自分の道を歩んで来た筈だった、
大学受験に失敗し
今は両親に毎月仕送りをして貰い乍就職先を探している。
無職者生活を送っているといっても過言では無いだろう。




そんな私の平凡かつ虚しい人生は此の引っ越しにより大きく変わる。




「大体片付けも終わったし散歩に行くか…」

寂しく独りで呟きながら準備をして、玄関の戸を開ける。
見慣れないヨコハマの風景が広がっていて、目を奪われ寂しさが安らぐ。

ふと視線を下にやると、
銀髪の男子?青年と呼べばいいのか、
自分と同年代で有ろう青年が道の真ん中で突っ立っていた。

可愛いらしい。

道に迷ったのか、それとも迷子なのか…?
定かでは無いが、助けるに越したことは無い。
エレヴェーターに乗りその銀髪青年に話し掛けてみる。

「あの、大丈夫ですか?道とか迷ってるんだったら案内しますけど…。」


「えっ、良いんですか!」

可愛いらしい。
私は自然と笑を浮かべ乍勿論ですと答える。





青年は愛想の良い笑顔で「有難うございます!」と云ってきた。
すこぶる久しぶりに自分の心が揺らいだ気がする。
その後道案内し乍青年と会話が弾んだ。
名前やら、年齢やら、色んな事を聞きあう。

青年の名前は中島敦、十八歳で探偵事務所で働いているんだそう。
私とは違い光輝く道を歩いている最中だ。
現実の悲しさを時折感じながらもめげず、敦くんと沢山話した。

「目的の場所此処です、着いちゃいましたね。」

「そうですね、有難うございました!あ、あの此れ良かったら……」

敦くんが渡してくれたのは名刺。
武装探偵社社員、中島敦、住所とシンプルなデザインで御丁寧に、
電話番号とメールアドレスは裏に書いて呉れていた。

「又、会いましょうね!」

敦くんがはにかんだ。

第一話:我が家/正午前/晴天→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
73人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月仍 - 敦君の笑顔の絵がすごく上手で鼻血が出ました………。とても面白かったです!頑張ってください! (2017年12月26日 17時) (レス) id: e756010da3 (このIDを非表示/違反報告)
田道間守(プロフ) - 十夜さん» コメント有難うございます!たじまもりであっています!絵の事をほめてくださるとは…嬉しいかぎりです。更新がんばります! (2017年10月29日 20時) (レス) id: 735b857d79 (このIDを非表示/違反報告)
田道間守(プロフ) - karenyoshi0308さん» コメント有難うございます!丁度ディ○ニークイズしてたもので… (2017年10月29日 20時) (レス) id: 735b857d79 (このIDを非表示/違反報告)
十夜 - 田道間守 ってたじまもりであってますか? とても絵が上手いです。更新頑張って下さい。 (2017年10月21日 18時) (レス) id: a38d0a18a5 (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - フライパンwラプンツェルですね!!ww (2017年9月15日 20時) (レス) id: 9850d3be56 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紺野 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年4月26日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。