Seasons ー第1章ー

過去◆2017 今日限定の恋人2 ページ24

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―――翌朝、アラームの音を止めようとすると私が止めるよりも先に誰かが止めた。



「…ん、Aおはよ」



頭の上から聞こえた声に顔を上げると眠そうに目を擦ってる健太くん。

そっか。昨日泊まってくれたんだ。

健太くんは寝ぼけながら私を抱きしめるとこめかみに何度も口付ける。



「ねぇけんたくん、もう誕生日終わったよ？」


「んん、仕事行くまで延長する。いいでしょ？」


むにゅっと私の顔を右手で潰すとくしゃっと笑う。



「変わらないね、そのおねだりするときの顔」



仕返しにとほっぺをつねろうとするも、簡単に手首を掴まれた。



「…Aは変わった。オトナのオンナになってる」


「そりゃあ二十歳になったもん。しっかりするよ」


「そういう意味じゃなくて…、やらしいカラダになってるってこと」



つーっと人差し指で私の鎖骨をなぞる健太くんに思わず擽ったくて体を捩る。



「っ、それなら健太くんだって」



付き合ってた頃より格段に色気が増してるもん。腹筋バキバキだし。

私にしたように他の女の子にもこうやって優しく触れるのかな。

考えただけで心が真っ黒に染まっていく。



「……けんたは何も変わってないよ。A」



それだけ告げると私の頭を撫でてシャワーを浴びに行ってしまった。





〜♪〜♪〜



けたたましく鳴るアラームを手探りで止めると目を瞑ったまま隣の感触を確かめた。



「って、いるわけないよね。…懐かしい夢だったな」



24時間限定でお姫様に戻れた日。


この日に戻りたいのは、健太くんの愛をたくさん感じたから。




たしか誕生日の翌月だったっけ。健太くんに彼女ができたのは―――





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