たとえあなたが…【茅ヶ崎至】 (ページ24)

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Review.63 ページ24

弱々しく発せられたその言葉

『何よそれ…』

茅ヶ崎「今日は紬ばっか。それに他の冬組のやつらも一緒だったんでしょ。俺との時間も作って欲しい」

『私はあなたの彼女じゃありませんー』

茅ヶ崎「そうだけど…」

それに、至と一緒にいる時間が長いほど私が抑えられなくなりそうだから…

茅ヶ崎「再開した日、俺のこと忘れられないって言ったの覚えてる？」

『…急に何』

茅ヶ崎「あの時俺は、嫌いって言って欲しかった。諦めがつくと思ったから。でもその言葉で、期待しちゃったんだ…Aもまだ同じ気持ちなのかもしれないって」

そうだよ…その通りだよ…
でも、あなたを愛してまた愛される資格が私にはあるの？受け入れていいの？

この気持ちをあなたに言えたらどんなに楽だろう

私は友達以上の関係になったら、また傷つけるんじゃないかって怖いの
あなたの温もりが、愛が、今の私にはすごく痛い
でも離して欲しくないって思っちゃう

なんて傲慢なんだろう…

『私たち、出会わなければ良かったね…』

出会わなければ何もなかったんだ

出会ったとしても、あの日私が話しかけなければ何も始まらなかった

『そろそろ離して。パーカー着たいし』

離さないで…

『遅いとみんな心配するよ』

もう少し2人でいたい…

『私明日から仕事だし早く寝ないといけないから、ご飯すぐ食べないと』

仕事昼からだし、至と色んなこと話したい…

『お願い…っ！』

茅ヶ崎「じゃあ力づくで振り払えばいいじゃん」

『えっ…』

茅ヶ崎「Aなら俺なんてすぐほどけるのに、なんでしないの？」

『っ…それは』

茅ヶ崎「ハァ……もうムリ」

『っ！？』

グイッと体を向き合うかたちにされ、唇に感触を感じた

時が止まったみたいな感覚
何も考えられないくて頭が真っ白

しばらくして唇が離れ、至の目が私を見据える
その瞳に吸い込まれそう

茅ヶ崎「ほんとに…治したほうがいいよ、その癖」

『癖…？』

茅ヶ崎「Aは嘘つく時、必ず右手首を握るんだよ」

今まで気づかなかった…

茅ヶ崎「ねぇ、本当の気持ちを教えて？」

To be continued…