【あんスタ】あんずちゃんを超えられない。

31話 ページ33

｢起きたかい？｣








目が覚めるともう、夜だった。






ここは...保健室だ。



きっとあの時、倒れたのだろう。


あれ、じゃあDDDはどうなったんだろう。



スマホで結果を確認しようとしたら、とある人物の存在に気がついた。




｢...天祥院英智｣



｢出来ればフルネームじゃなくて、名前で呼んで欲しいなぁ...♪｣


そのニコニコとした顔。



この人の本性を知らなければ可愛いなだとか思っていたと思う。



でも、今は怖い。



｢...えいちさん。｣





｢英智くん｣





...。



｢えいちくん。｣



｢うんうん、やっと呼んでくれたね。

君の声は美しいから、なんだな嬉しいな。






ねぇ渉？｣





は、





渉って...あの騒がしい人？


だよね...






ちなみに日々樹渉は苦手でも好きでもない、普通だ。


だって、普段関わることがないから。



そう、無害だから。




｢呼ばれました！こんににはAさん...♪



あなたの日々樹渉です！


まずは私から、謝罪をさせてください...♪｣




ちょっと何言ってるか分からない。





謝罪？何を？



...本当にこの人は頭がおかしいのか。



｢ふふ。何が何だかわからないって顔をしているね。かわいい。｣




...最後のはいらないと思う。




それより。




｢あの、DDDは...Trickstarはどうなりましたか？｣




聞くと天祥院英智はこう答えた。



｢どうなったと思う？｣





その何を考えているのかわからないその顔に私は怖気ついてしまった。



でも、絶対にTrickstarは...




｢もちろん、優勝ですよね？｣






そう聞くと2人は顔を見合わせた。



ええ...。



もしかして...fineとか？

でもでも...あんなに頑張ったのに優勝以外ありえない...。はず。




｢...Aちゃん。







その通りだよ。





ちゃんとみんな揃ってね。｣






...！やった。




Trickstarは優勝出来たんだ。



...さすがあんずちゃんだ。


私はなんか...あんずちゃんに嫌われちゃったのかな。

冷たくされちゃったし。






｢あんずちゃんがどうして君に冷たくなったのか、気になるだろう？｣




気になります。




｢ふふ。すごい顔をしているね。｣





どうしてか、





天祥院英智は私に教えてくれた。









｢それはね...君を守るためなんだよ。｣

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