#１７３ -RYOTA side‐ ページ26
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始業式の今日、僕は誰よりも早く登校してガランとした校舎の中を一人歩いていた。
向かうには彼女の教室。
暖房の入っていない朝一の教室は、まだ息が白くなる。
勿論、腰を下ろしたのは彼女の席。
机の手で撫で、いつのここで勉学に励んでいる姿を想像すると愛おしくてたまらない。
「ごめんね … こんな時に傍に居ることができなくて … 」
そっと机の中に忍ばせる白い封筒の手紙。
今時こんなの古臭いかと思ったけど、僕の字文字でしっかりと伝えたくてこの方法を選んだ。
名残惜しい気持ちはここに置いていき、席を立った時。
玲「変態王子は朝から彼女の席に細工ですか」
振り返ると、昨日の夜から姿を消していた玲於が教室に入ってきた。
「な … っ、今までどこに … 」
――――――――――パンッ！！
彼の平手が、僕の頬に思い切り当たる。
「い … っ」
玲「 … なんでお前まで居なくなるんだよ」
「お前までって … まさか … 」
玲「俺、学校辞める」
想像していなかった。
まさか彼がここまで彼女といることを拒むとは。
玲「んで、お前は留学ってか？」
「そう … だよ … 」
玲「しかも、今日からあっちに行くってどういうことだよ」
彼女には嘘をついた。
高校を卒業したら、ヨーロッパへ留学するというのは嘘。
本当は、今日日本を発つことになっている …
僕は玲於が彼女の傍に居てくれると思い、 玲於は僕が彼女の傍に居てくれると思っていたから。
そうなると、彼女はこれからどうするの … ？
2人の誤算。
それが彼女に与える影響力が計り知れない。
今更後に引くことも出来ず、ただ2人茫然と立ち尽くすことしかできない。
「僕たち、身勝手なことしてるね … 」
玲「Aを悲しませるようなことしかしてない … 」
朝日が差し込む教室。
眩しくて目を細めながら空を見上げる。
彼女の周りには心強い味方がたくさんいる。
可愛い後輩たちに、リサさんと岩さん。
あの温かいご家族だって、彼女を助けてくれる。
「僕たちがいなくても、Aは大丈夫だよ … 」
僕たちは、後ろ髪惹かれる思いで学校を後にし、それぞれの道へと歩き出した。
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あ - 誤字多すぎなんだけど萎えるわ (2019年11月10日 16時) (
レス) id: 75e9093654 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - okppp212さん» コメントありがとうございます！そうなんです、あの漫画モチーフで書かせて頂いております！大好きなんですよね...あのバンドが... (2019年10月16日 21時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
okppp212(プロフ) - やっぱり好きな漫画のやつだ！ってこの章で発覚して楽しみで読ませていただいてます！がんばってください！ (2019年10月16日 21時) (レス) id: fb074e63b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» コメントありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年9月23日 0時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2019年9月23日 0時) (レス) id: f9de41481b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年9月11日 14時
