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そうだ、このドレス。
お代を払わずにお店を出てきてしまったことを、今の今まで忘れていた。
母「すっごく綺麗なの選んだわね … 体のラインが綺麗に出ててAさんにぴったり」
『や … あ、いや … 』
大変なことを思い出してどう説明すればいいか思考を巡らせていると、お母さんは「プレゼント」と呟く。
母「これ、プレゼント。ちょっと違うけど、嫁入り道具みたいなものだと思って」
涼太君がはぐらかした意味はこれだったんだ。
私に何も言わずにいたのは、お父さんからのお願いで。
でも、私がこのドレスのことでソワソワしていたから、お母さんが見兼ねてネタバラシをしてくれたらしい。
母「突然娘ができて、あの人嬉しいのよ」
『そう、なんですか … ？』
母「一番張り切ってるのはきっとお父さんよ、可愛い一人息子にこんな可愛いお嫁さんを貰って … 」
思ってたのと違う。
ずっとこんな温かい家族が待ってるなんて、想像していなかった。
きっと邪魔者扱いされて、でもそれも涼太くんとなら乗り越えられるって覚悟してたのに。
母「 … そんな気を張らずに、伸び伸びとしてていいんだからね」
そこでお母さんは席へと帰っていき、私は一人お手洗いへと向かう中。
一度止まったはずの涙が、再び溢れ出してきて止まらない。
私、凄い幸せ者じゃん。
温かい家族に迎えられて、こんな素敵な嫁入り道具ももらって。
『これ以上、幸せになるのが怖いよ … 』
この幸せがずっと続きますように。
そんなお願い事しか浮かんでこない。
お手洗いから帰る途中、一面ガラス張りの窓から綺麗に夜景が見える場所があった。
そこで立ち止まり、広がる喧騒した風景をここから眺める。
『 … 夢みたいな世界』
まるで自分が水槽にいるかのように、ここだけ静かで落ち着いた場所。
この世界だけ切り離られたように、夢心地でいる私。
『明日から、また日常が始まるのに』
気持ちが泳いでいて、地に足が付いている心地がしない。
「 … A」
ガラスに映った涼太くんの姿。
その姿は私に近付いて、大きくなっていく。
あっという間に彼は私を後ろから抱きしめて、すっぽりと腕にに収まる。
ご両親はこの後予定があるらしく、退席したみたいで。
残されたのは私たち2人だけ。
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夜天(プロフ) - こじゃるさん» ありがとうございます(^ω^) (2020年2月26日 17時) (
レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新頑張ってください。 (2020年2月25日 22時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - こじゃるさん» お待たせしてしまって申し訳ございませんでした...これからもどうかよろしくお願いします！！！ (2020年2月18日 14時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新待ってました。ありがとうござます！ (2020年2月17日 21時) (レス) id: 2442b06a12 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 華凜さん» コメントありがとうございます！玲於ちゃんのお話は色々考えているので、投稿するまで待って頂ければ幸いです。 (2020年1月6日 19時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年10月18日 14時
