#１３６ ページ6
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一つ一つ丁寧に。
色の指示から、生地の素材まで事細かに描かれてる。
このために、根掘り葉掘り聞かれてたんだ。
『新曲の曲調は？』とか『イメージは何色？』とか。
｢こんなことしてたんなら、ちゃんと身体休めておけよ … ｣
自分の身体を酷使してでも約束を守りたかったんだろうな。
そんな彼女が、やっぱり今でも愛しい。
忘れた方がいいのか。
思い出した方がいいのか。
忘れるのも怖い。
思い出すのも怖い。
自問自答の繰り返し。
どれが正解なんだろう。
まず、正解なんてあるんだろうか。
｢そんなの分かったら悩んでないか … ｣
A、俺はこれからどうしたらいい？
これを持ってライブの準備はちゃんとするし、仕事は手を抜かない。
でも、そこにAが居ないんだよ。
｢やっべ、仕事っ｣
そろそろ家を出ないと撮影に間に合わない時間になっていて、慌ててスケッチブックを閉じた。
──────────パサ …
閉じたスケッチブックの間から、一枚の封筒が落ちてきた。
拾い上げて宛先を見ると『和くんへ』と親しみのある文字で書かれていた。
「和くんへ … 、Aより …」
Aからの手紙。
なんでこんな時に …
「もう … どうでもいいか … 」
仕事のことなんか今はどうでもいい。
適当に「寝坊した」とか言って誤魔化そう。
ソファーに軽く腰掛け、封筒の封を切る。
数枚の便箋。
ところどころ滲んでる文字に心が痛む。
「辛かった … よな … 」
滲む文字をそっと指でなぞる。
今思えば、彼女が弱音を吐いたことはあっただろうか？
この滲んだ文字が、彼女の最初で最後に見る弱音かも知れない。
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夜天(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、虹きみを読んで頂きありがとうございました！ (2020年1月6日 19時) (
レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - meiさん» コメントありがとうございます！顔面をそんなにして頂いたなんて…ありがとうございます！ (2020年1月6日 19時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 久しぶりに沢山泣きました。こんな感動する小説を書いてくださりありがとうございました (2019年12月14日 4時) (レス) id: cd190f001a (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 泣きすぎて顔面とんでもないことになってしまいましたw感動しました！ありがとうございました！ (2019年11月25日 15時) (レス) id: fd406e97dc (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - PEANUTSさん» コメントありがとうございます！その言葉が何よりの励みです！ありがとうございます (2019年5月29日 18時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜天 | 作成日時：2019年5月19日 22時
