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龍「お前んとこのバンド、俺も入れろ」
どういう風の引き回しなんだろう。
『こ、こないだまで嫌だって … 』
龍「そんなん忘れた」
2日ぶりに行った学校は、私の知らないところで世界が進んでいた。
事の発端は、涼太先輩からのLINE。
「放課後、いつもの場所」とそれだけ。
先輩がいつもの場所と言うんだから、間違いなく音楽室だと思った。
また1日玲於には無視されて過ごして、やっときた放課後。
こないだの涼太先輩と玲於の一件から、噂の中心になってしまった私はコソコソと陰で話されてるのを横目に教室を出た。
出たところで噂の的なのは変わらず、すれ違う生徒から視線が痛い。
「音楽室に行くんだよ、あれ」なんて聞こえてもきた。
あ、やっぱ涼太先輩音楽室に居るんだ …
「数原くんも、一緒にいたよ?」「えー!?まさかの三股!?」
おいおい、三股じゃないから …
というか、誰とも付き合ってなんか …
… え?数原先輩もいるの?
バンドの話だと思ってたのに、数原先輩も居るなんて違うことで用があるのかな …
数原先輩にはきっぱり断られたから、もうスカウトしたって見込みなんてなさそうなのに。
音楽室前の人だかり。
いつもこんなにいないくせに、こーゆー時だけ見に来るめんどくさいヤツら。
私を見たその人だかりは道を開けて、すんなり私を通してくれる。
涼「あ、Aちゃーん!!」
相変わらずのキラースマイルで手を振る涼太先輩。
龍「お … 大丈夫か、風邪で倒れたってコイツから聞いたぞ」
ポケットに手を入れてチャラそうに見えるけど、顔は本当に心配してくれてる数原先輩。
『大丈夫です、元気になりましたっ』
さぁ、ここからが本題。
どうしてここに数原先輩がいるのか。
龍「お前んとこのバンド、俺も入れろ」
ということなのです。
涼「ね?どうかな」
『あ … えっと … え?』
涼「あははっ、やっぱ戸惑ってる。笑」
楽しそうに笑う涼太先輩と裏腹に、数原先輩は笑うことなくただ真剣に私を見つめて。
この決断が、簡単なものではなかったんだと悟った。
『本当にいいんですか … 』
龍「ああ、もう決めた」
涼「さっすが、僕の親友」
龍「お前がウザイぐらい口説いてきたんだろうが」
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夜天(プロフ) - 美心さん» 亜嵐くんの誕生日ですか!?羨ましい(泣)移行先でもよろしくお願いします! (2018年11月10日 9時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
美心(プロフ) - 私は8月4日に参戦して来ました!更新頑張ってください! (2018年11月9日 22時) (レス) id: 3a297c68b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 佐野玲於の名無しのfanさん» ありがとうございます!まだまだ最後を迎えるのは先なので最後までどうかお付き合いください! (2018年10月16日 7時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
佐野玲於の名無しのfan(プロフ) - オチが気になる〜!!読み終わったとき心臓がキュンキュンします!続き頑張ってください! (2018年10月16日 0時) (レス) id: 24c1463825 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - あゆんさん» ありがとうございます!これからもきゅうってさせちゃいます!! (2018年9月30日 6時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜天 | 作成日時:2018年9月10日 23時