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電車を降りて、駅から学校へ向かう間も先輩は隣を歩いてくれてた。
近すぎず、遠すぎず、私が嫌な目で見られないような距離を保ってくれてるんだと思う。
無言なのに、そばにいてくれるだけで心強く感じる。
龍「お?珍しい組み合わせやな」
涼「おはよ、龍友くん」
「おはようございます、数原先輩。 … 先輩達、顔見知りなんですか?」
龍「顔見知りも何も、同じクラスやから俺ら」
数原先輩がガッチリした腕を片寄先輩の肩に回して仲良しアピールしてるけど、片寄先輩の笑顔が歪んでる。
涼「近いしなんか暑苦しい」
龍「俺のこと、好きなくせにぃ〜」
涼「うるさい、離れろよっ」
仲がいいほど喧嘩するって言うけど、このことを言うんだな。
じゃれあってるようにしか見えないもん。
『私、先行きますね』
2人の邪魔しないように、私は早いところ退散しようと学生の波の中を早足で進んでく。
私の中のリズムが狂ってる。
1人になった途端、耳に入ってくる音が全て音階に聞こえてくるし。
イヤホン忘れて1人の世界に引きこもることも出来ない。
助けて欲しい、この苦しさから。
オーディションで迷ってることも。
玲於への気持ちに迷ってることも。
何もかも全部から。
私を連れ出してほしい …
「A … !!」
突然、後ろから手を引かれて立ち止まる。
振り返った先にいたのは息を切らした玲於の姿。
『れ、お … 』
玲「お前が先に言ったって数原先輩から聞い … 泣いてんの … ?」
そう言われて頬を拭ってみるとセーターにシミができた。
『泣かないようにって、片寄先輩言ってくれたのに … 』
玲「ごめん、俺のせいだ」
そうだよ、玲於のせい。
私をこんな気持ちにさせたのは玲於のせい。
『好きだよ、玲於 … 』
人目も気にせず、勝手に口に出た言葉。
目を丸くして、玲於の手が私から離れた。
『昨日のことが、嘘だったとしても … 私は玲於なこと大好きだよ』
玲「そっか … 」
離れた手がもう一度私の腕を引き、彼の胸に飛び込む。
玲「俺だけじゃなくて良かった」
『それっ、て … 』
玲「俺も好きだ、お前のこと」
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夜天(プロフ) - 美心さん» 亜嵐くんの誕生日ですか!?羨ましい(泣)移行先でもよろしくお願いします! (2018年11月10日 9時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
美心(プロフ) - 私は8月4日に参戦して来ました!更新頑張ってください! (2018年11月9日 22時) (レス) id: 3a297c68b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 佐野玲於の名無しのfanさん» ありがとうございます!まだまだ最後を迎えるのは先なので最後までどうかお付き合いください! (2018年10月16日 7時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
佐野玲於の名無しのfan(プロフ) - オチが気になる〜!!読み終わったとき心臓がキュンキュンします!続き頑張ってください! (2018年10月16日 0時) (レス) id: 24c1463825 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - あゆんさん» ありがとうございます!これからもきゅうってさせちゃいます!! (2018年9月30日 6時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜天 | 作成日時:2018年9月10日 23時