ハグルマ 〜 山茶花を君に 〜

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『ただいま』

「おかえり〜」



少し大きくなったお腹をさすっているAの
もとへ行き、一番聞きたかった事を口にする。



『女の子？』

「どっちでしょ〜〜」


少し悪戯な顔をする。


『おーー、んなのこ！』




正直どっちでもいい。
きっと、いや、絶対かわいいから。

すでに愛おしい。



「ぶっぶー！男の子でした」

『まじ？』

「うん！よかったね卓ちゃん。野球できるよ！」



男の子だったら野球はさせたいね、と
将来図を語っていた。

俺とAの子だから身体は小柄かもしれないけど
小さくてもできることはいくらでもある。



強く育って欲しいなあ。


「名前、決めないとね。」

『そうやなあ。考えとく。』

「遥くんにも言っておいてね！」

『なんで』

「性別分かったら教えてな〜ってこの前言ってた！」



遊んでもらわないとなー、なんて呑気な事を
言ってるけど。

俺は遥輝に貢がせる気満々で。
俺の結婚を真っ向できないと否定し続けた野郎だから。


『教えとく、そんで出産祝い持って来こさす、』

「ふふっ、悪いやつ〜〜」

『なんとでも言え』





そう言ってAに背を向け風呂場に向かう。









早く、会いたいなあ。








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