花様年華 pt.1 ページ12
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「防弾少年団って、名前ダサくね?笑」
「曲もダサいだろ、時代に合ってないし」
「周りで好きって子一人もいないよ」
…あぁ、こんなことなら、一人で来るんじゃなかった。
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音楽番組に出演する前にトイレに行こうとした俺
だけど、角の向こう側からこんな声が聞こえてきて
もう聞きたくないから逃げるか
堂々と立ち向かうか
どっちかをできる俺だったらいいのに
そこに立ちすくんで
延々と続く俺たちの悪口を聞くことしかできな
TH 「…くそ、っ」
向こうはスタッフ
別に、新人スタッフだろうから俺たちと変わらないのに
TH 「…もう、っ」
『テヒョンさん』
一歩踏み出して
角の向こう側に行こうとした俺の手を掴んだのは
Aさんだった
TH 「…あんた、」
『テヒョンさんが持っておくべきものは、メンバーを守る心だけでいいんです。』
TH 「…は、」
『無理やり、立ち向かおうとしなくてもいい』
少し感情的に見えたAさんだったけど
またすぐ無表情に戻った
TH 「…なんだよ、」
『あそこに行っても怪我をするだけです。』
幼かった俺には 怪我 の意味がわからなかったけど
俺を
防弾少年団を守ろうとしてくれたんだなって言うのは
伝わってきた
TH 「…あ、ありがとうございました、」
『…いえ。』
少し、近づけたような気もしたけど
その壁は一瞬にして分厚くなった
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作者名:あんな | 作成日時:2022年4月10日 0時