罰ゲーム

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昼休み。
お弁当を食べ終わり、友達と勉強をしていた。


「うー……頭痛い」

そう言いながら、シャーペンを持った
手で頭を軽くおさえる。


「大丈夫？偏頭痛？」


外を見ると軽く雨が降っている。
そういえば昨日 ニュースで
梅雨入りしたって言ってたな。
私は「そうかも」と返事をして頭を机に伏せる。

ここ最近で色々ありすぎた。
恋愛も勉強も。
部活だってもうすぐ大会を控えている。


「お疲れ様」

「ん、ありがと」


私の頭を優しく撫でて、友達は離れていった。
いつも気を遣ってくれるその友達には
色々お話を聞いてもらっている。

丸井くんがどうだったとか、今日はあんな話をしたとか……。
今は、そんな楽しい話題ではないけれど。


「星野」


上から声が聞こえ、私は顔を上げないまま「どうした？」と返す。
ドライやのぅ、と少し困った声が降ってきたが、頭を上げると痛みが酷くなる。

「頭痛いから。ごめんね」

「ブーちゃんの事でか？」

そう言いながらクックックと喉を鳴らして笑う彼。
私は思わず顔を上げてしまった。


＿＿仁王雅治。
どうも掴みどころがない人。
何を考えているのか分からない。
すぐ思っている事を顔に出してしまう私とは真反対。


「かもね？」

「ブーちゃんも頭痛いって嘆いてたぜよ」

「……そう。珍しいね」

「ちゃんと悩んでるっていう証拠じゃき」


フッと笑って自分の席に座る仁王くん。
……そっか、悩んでくれているんだ。
それは、少なくとも私の事を考えてくれている訳で。ちょっと嬉しかった。


流石にずっとメール無視しているのは
心が苦しくなっていた為、
私は家に帰ったら返信をすることを決めた。


なんて返信しよう。
ごめんという内容のものに"いいよ"とは
返したくない。だって許した訳では無いから。

だったら＿＿。


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