016 : タラゼド ページ16
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私の頬に触れた亮くんの手に自分の手を重ねる。
こうして触れられるのも最後かもしれないんだ。
そう思うと無力な自分が嫌になる。
亮くんに守られなくてもいいくらい強い人になりたい。
そう思っても子供のままの私には無理なことだとわかってる。
『もし、俺が主演の映画ができるくらい大きくなったら必ず迎えに行く。約束』
「うん、うん」
『何年かかるかわかんないけど、
もしかしたら目移りしちゃうかもしれないけど、
それでも絶対Aちゃんの元へ帰ってくるから』
「何年経ってもいいよ、何十年経っても、
亮くんが結婚したって、顔を見せてくれればいいから」
我慢していたはずの涙が頬に伝う。
目から溢れた水滴は一瞬にして冷たくなる。
『迎えに行くから、そのときは真昼の星空を見に行こう』
「真昼の星空、」
『うん。真昼の星空。その約束が果たせるまで
…このブレスレットもってて？』
「うん、わかった」
おでこをくっつけた亮くんはふにゃりと笑って
私にキスをした。
嬉しいくらい幸せそうな顔をして、
泣きたいくらい悲しい顔をして、私にキスをするんだ。
『好きだ。Aちゃんが好き』
「私も、亮くんが好き」
私の頭を撫でた亮くんは優しく微笑んでから立ち上がった。
…私が言わなきゃ、言わなきゃ後悔するんだ。
「亮くん、別れよう。私たちの恋人ごっこはもう終わり。
だから、いつか真昼の星空を見に連れて行って」
『うん、…約束』
亮くんの背中が見えなくなると我慢していた分の涙が溢れた。
私の青春、
ピンクに染まった幸せな青春。
一生忘れることはない。
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みるく(プロフ) - 続きまってます😭 (2月23日 0時) (
レス) id: 831d9c5ab9 (このIDを非表示/違反報告)
梨菜(プロフ) - この作品大好きなので、連載またしてくれて嬉しいです！！ありがとうございます！ (2019年6月1日 23時) (レス) id: b47de58dc9 (このIDを非表示/違反報告)
リョウ(プロフ) - また、吉沢君の小説を書いてくださりとても嬉しいです！更新頑張って下さい！ (2018年10月5日 8時) (レス) id: 7c0cec81f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花霞
| 作成日時：2018年10月4日 21時
