誰おま。 ページ34
───『絶対迎えに来てね絶対』
夏「ハイハイ」
『なんなら傑も店に来な!?!?居酒屋だし!!!!』
夏「ほら、いいから早く行きな、そろそろ時間だろう」
『ううう!!行きたくない!!傑連れていくんだああ!!』
夏「この店、串物が人気みたいだよ。テレビにも出てたって」
『なんだと』
夏「山田先生に挨拶して、美味しい串物食べて帰ってくればいい。周りなんて気にする必要ないさ」
『……ぬん…』
夏「行っておいで。ちゃんと迎えに来るから」
『…ワカッタ…”逝”ってくる………』
夏「”行”ってらっしゃい」
店の前まで送ってくれた傑にめいっぱいギューーーッてして、私はついに戦場へと降り立った。
店員に案内された大部屋にはまだ数人しかおらず、どうやら少し早く来てしまったようだった。
傑がそろそろ時間だよとか言うから来たのに!!まだ全然じゃん!!そういうとこ律儀なんだよな!!傑は!!!
黙って端っこの方に座っとこ。誰の顔も名前も覚えてないし。
しばらくするとゾロゾロと人が集まった。山田先生も来たみたいだ。
幹事っぽい男の一声で乾杯をする。
私は烏龍茶にした。酒は飲まん!!
「ね、君もしかして新城さん?」
『へ?』
突然声をかけられ顔を上げるとそこには知らない男の姿。
えーっと……うん、誰だろう。
「覚えてない?俺、3年の時に君の隣の席だった成田なんだけど」
いや、知らんわ。誰やねん。
『あー……あはは』
「久しぶり。あ、山田先生には挨拶した?」
『あ、えっと…まだ、これから…』
「なら一緒に行こうよ」
『えっあっ』
成田と名乗る謎の男に腕を引かれて山田先生のところに来た。
山田先生はよく私を気にかけてくれていた大好きな先生で、私が変なことを口走っても、否定せずに真剣に話を聞いてくれた人。
「そうか、良い人に巡り会えてよかったね。
その人のことを大切にして、仲良く暮らすんだよ」
『うん!山田先生も、楽しい老後を送ってね!』
「ははっ、ありがとう」
すっかりおじいちゃんになった山田先生はあの頃と同じ顔で笑った。
うん、やっぱり会いに来てよかった。
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村人C - いうじくん優しいぃ流石主人公ぅぅ (2022年7月4日 20時) (レス) @page50 id: 03e51dbe01 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 凛愛さん» レスありがとうございます!!【M-1に出たい。】にあります! (2021年8月23日 5時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
凛愛(プロフ) - mooさん» 探偵のあらすじ…自分で書いた作品のくせに、どこだろうって探しました…どこだろう…()とにかくありがとうございます!!!!(?) (2021年8月22日 20時) (レス) id: f83a603b36 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 探偵のあらすじがめちゃくちゃ面白かったです! (2021年7月29日 12時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
凛愛(プロフ) - うらにわさん» いえーーーい!!!!次のタイトルは‥‥あちらでのお楽しみヽ(^o^) (2021年4月2日 23時) (レス) id: f83a603b36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛愛 | 作成日時:2021年3月6日 20時