【文スト】たとえ血の繋がりがないとしても (ページ10)

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９日目ページ10

中原「只今。」

太宰「今日の夕飯はなんだい！？」

芥川「“おかえりなさい”。」

太宰「…………………………只今。」

治が龍の無言の威圧に屈する。
敦も前に遣られてたな。

『あ、丁度いいや、ご飯食べ乍ら聞いて？』

中島「如何した？」

『桜空の話なんだけどさ………』

私は狛江先生に云われた事を話す。

中原「ま、然う為るよな。」

芥川「毎日送迎をし乍ら…………何も気づけないとは…………………」

『龍は悪くないよ。』

太宰「此れは桜空ちゃんの問題だからね。」

中島「僕達に何か出来れば良いんですけど…………」

桜空「トイレ…………」

「「「「『桜空(ちゃん)！？』」」」」

『と、トイレね！お姉ちゃんと行こっか。』

コクコクと頷く桜空をトイレに連れて行く。
噂をすれば影がさす、だっけ。
皆なんとやらで済ませるから案外知らないよね。
影がさす、らしいですよー？

じゃあなくて！

トイレを済ませ、リビングに戻る。
が、桜空は寝に行かない。

『桜空？もう寝ないと。』

桜空「ねえ、さくらってへんなの？」

「「「「『…………………え？』」」」」

桜空「みんながおにいちゃんがそんなにいておかあさんおとうさんがいないのはへんだって。」

中島「桜空ちゃん。」

桜空「なーに？」

中島「桜空ちゃんはお母さんの顔、知ってる？」

桜空「……………しってるよぉ？」

嗚呼、成程。

芥川「では、お父さんの顔は。」

桜空「しってる…………………」

中原「俺達はな、お母さんの顔もお父さんの顔も知らねェんだ。
生きてるか死んでるかも知らねェ。」

太宰「知らない私達の方が変じゃないか。」

聞いている私まで悲しくなって来た。

桜空「にぃたちはへんじゃないよぉ？」

芥川「だったら桜空も変じゃないな。」

『こう云う家族も有なんだよ。』

すると、「へんじゃないの？」と云う桜空。

中島「変じゃないよ。」

桜空「よかったぁ！おやすみ！」

太宰「うん、お休み。」

こう云う家族も有りなんだ。

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そして作者は相変わらずシリアス苦手です。