【文スト×サーヴァンプ】中原(妹)、家出しました。

番外編◇昔噺(芥川編) ページ37

芥川先輩とAさんは仲が良い。

…良い…のかな？

話をしておられるところは良く見るけれど…。


「あの…お二人は昔から一緒におられるんですか？」

「昔…って程じゃないけれど…あ、やつがれ君逃げちゃ駄目だよ。」

「ッチ…」


何かを察した芥川先輩は逃げようとしてAさんに捕まる。


と、どうやら昔の噺をして下さるようだ。


「そうだなぁ…先ずは出会った時の噺でもする？」


＿＿＿


私とやつがれ君の出会いは…太宰さんの計らいだったかな。

元々何度かは廊下でもすれ違ってたし話も耳にはしていた。


或る日、太宰さんに呼ばれた私は指定された場所へと急いだ。


「…失礼しま…っ！？」


話す間も無く、何かが飛んできたのを咄嗟に避ける。

飛んできた…と云うか伸びて来たんだけど…。


攻撃して来たのはやつがれ君の羅生門だった。

いきなり何だ、とイラつきもしたけれどナイフ一つで応戦した。


え、何でそんな驚いてるの？…あぁ、この頃のやつがれ君ね凄く弱かったからね。

ちょっとそんな睨まないでよ…今じゃナイフ一つじゃ全然敵わないよ。


で、やつがれ君が疲れて異能が使えなくなるまでこれは続いた。


「…此れで君の実力が分かったろう？」

「っ…」

「彼女は君と同い年だ。仲良くし給えよ。」


仲良くし給えと云われた瞬間私は多分此奴とは仲良く出来ないと思った。

当たり前だよ、だって殺気が凄いんだもの。

何時殺されるか分からないじゃない。


…と、出会いはこんな感じ。


＿＿＿＿


「は、はぁ…」

「私とこんな風に話すまでやつがれ君が大体ボロボロになってた。」

「其処は云わなくても良い。」

「あっはは。あ、其れじゃあ終わった書類は其処置いてて。私が後で取りに来るからね。」



(昔噺が聞けたのは良かったけれど芥川先輩が何とも云えない表情になりましたね…。)

番外編◆昔噺(エリス編)→←番外編◆アニメ10話のアレ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す