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私の異能について。
特攻向きでは無い、強いて云えばサポートに適した私の“これ”。
其の時はまだ空間を操る、なんて出来なかった。
唯触れれば相手は眠り、悪夢に魘される。
だけど私は夢すら見させなかった。
「っな…に……」
「此奴に身体を触らせるな!!」
相手の会話には目もくれず唯近くの人に触れて身体が倒れる瞬間にナイフで首を掻っ切る。
子供とは思えない動きだ、と誰かが云った気がした。
暫く立てば聴こえるのはナイフから滴る血の音のみだった。
何も無かったかの様にナイフを拭きブラウスに付着した血が見えない様コートの前を閉める。
本部に戻ると包帯やガーゼだらけの兄様が居た。
「っA!!」
「只今戻りました…」
周りに居た大人たちは揃ってこう云った。
死んだかと思った。
生きて帰って来るとは思わなかった、と。
「血…怪我してないか?」
「うん、何とも…っい…」
知らないうちに付いていた傷。
兄様に頬を触られて気が付いた。
あの時は必死で感覚は全て殺し、殺意しか無かったな…
今となっては昔の話だけれど、あの時点で私はどれ程強かったのだろうか。
__A。
ハッとして横を見ると兄様が心配そうに此方を見て居た。
「大丈夫か。」
「うん、一寸昔の事をね…」
車から降りてヨコハマの空気を吸う。
帰って来た…。
…処で今日は何日?
「手前の仕事は終わったよ。代わりに他の奴が1日交代でやってた。」
「そっかぁ…」
最後の最後でお嬢さんと話せなかったな…残念。
取りあえず皆にお礼と…首領にも仕事報告とか諸々やりに行かなきゃ。
全員が車から降りた処で手を2回叩く。
私と兄様の前に整列したのを確認し私は少し大きな声を出した。
「…迷惑掛けて申し訳御座いませんでした…!!」
私が深々と頭を下げた事もあり向こうから声があがる。
頭を上げて下さい、と。
マフィアと云う職業は悪と云われる場所だけれど、仲間思いの人が多い。
「…其れじゃあ俺達は首領に報告へ行くからな!手前等はしっかり休めよ!!」
兄様に手を引かれビル内に入る。
久々に握った兄様の手を小さい頃に比べて、ごつごつしてて男の人って感じがした。
そしてとても暖かい。
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史絵 - 絵、凄く上手いですねっ!羨ましいです! (2016年11月10日 19時) (レス) id: 4061bb3384 (このIDを非表示/違反報告)
ミミミの松 - 続きがとっても気になる~!はよ更新して~! (2016年10月6日 15時) (レス) id: 110a1a14b8 (このIDを非表示/違反報告)
-kanade-(プロフ) - ゆき花さん» もう、紅葉姐さんも中也も良すぎて…ポートマフィア勢凄い好きなんで(*´ω`*)これからの中也の活躍も楽しみです( ´∀`)b (2016年10月1日 21時) (レス) id: 954fcb64c1 (このIDを非表示/違反報告)
リビリンス(プロフ) - 御園来たァァァ!!中也さんの妹なんて、さいっこーすぎです(*´∇`*)サーヴァンプも文ストも両方好きなので、嬉しいです!応援してます! (2016年10月1日 20時) (レス) id: e6133c400a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき花(プロフ) - -kanade-さん» コメありがとうございます!アンケ取ってからほんと思い付きで書いてたので…楽しんでもらえて良かったです! (2016年10月1日 20時) (レス) id: 9c4c542ee0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき花 | 作成日時:2016年9月26日 18時