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◇20 ページ21

暗くて冷たい。

手首が痛い、感覚が無くなる程に。


薄っすらと目を開けると此方を見る大勢の人達。

夢か、現実か…きっと此れは現実だろうけれど。


「起きたかい、マフィアの御姫さんよ。」

「御姫さん、なんて可愛いもんじゃないわよ私…」


まだ少し朦朧とする意識で答える。

其れに、マフィアの御姫さんと云えばエリス嬢だし…。


敵である此奴等の狙いは何だろうか。

私?兄様?其れともマフィア全体?


「そろそろか…悪いな御姫さんよ、女を殴る趣味なんざねぇんだが…」

「っは、女を殴る趣味は無い?全員揃って頑丈な武器持ってる奴等が何云ってるの。」


お腹に衝撃が来る。

少しだけ痛いな…。

其れを合図に一人ずつ好きな様に殴って来る。


「っか、は…っ…!」


少しだけ痛い、けれど…こんなもの、兄様に殴られた時に比べれば豆鉄砲のようだ。

耐えなきゃいけない。


制服がボロボロだ…。

下に着ているものが見える。

其れに気付いた長…に見える男が服を破いた。


「おぉ、こりゃ良い眺めだなぁ。」

「中原中也がどんな顔するか楽しみですね、旦那。」


ゲラゲラと気味の悪い笑みを浮かべる男。


今手錠を取ったとして…此の身体で戦える?

否、やめた方が良いのかな…恰好もこんなだし。


力なくぼーっとしているといつの間にか意識を失っていたみたいだ。

周りには誰も居ない。

私、一人。


「どんくらい、経ったのかなぁ…」


時間の感覚も無い、今明かりは蝋燭1本だ。

電気付けてくれたって良いじゃないか。


こんな時でも私は暢気なもんでお腹が鳴る。


「お腹空いたー…」


ふと幾つもの足音が聞こえて来た。

相手の長は随分不機嫌だ。


兄様が来ないから、らしい。


兄様に呆れられちゃったのかな。

兄様に嫌われちゃったのかな。



__私の生きる意味が無くなってしまう。

◆21→←◆19



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史絵 - 絵、凄く上手いですねっ!羨ましいです! (2016年11月10日 19時) (レス) id: 4061bb3384 (このIDを非表示/違反報告)
ミミミの松 - 続きがとっても気になる~!はよ更新して~! (2016年10月6日 15時) (レス) id: 110a1a14b8 (このIDを非表示/違反報告)
-kanade-(プロフ) - ゆき花さん» もう、紅葉姐さんも中也も良すぎて…ポートマフィア勢凄い好きなんで(*´ω`*)これからの中也の活躍も楽しみです( ´∀`)b (2016年10月1日 21時) (レス) id: 954fcb64c1 (このIDを非表示/違反報告)
リビリンス(プロフ) - 御園来たァァァ!!中也さんの妹なんて、さいっこーすぎです(*´∇`*)サーヴァンプも文ストも両方好きなので、嬉しいです!応援してます! (2016年10月1日 20時) (レス) id: e6133c400a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき花(プロフ) - -kanade-さん» コメありがとうございます!アンケ取ってからほんと思い付きで書いてたので…楽しんでもらえて良かったです! (2016年10月1日 20時) (レス) id: 9c4c542ee0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき花 | 作成日時:2016年9月26日 18時

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