【gr】さぁ、そのペルソナを剥がせ【d!】 (ページ9)

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8話ページ9

『この前さ、鬱くんにね』

「ああ」

『最近イキイキしてるよねって言われたんだ』

進む道の先を見つめながら、嬉しそうに微笑んでいる。
イキイキ…。確かに最近、Aの雰囲気が変わったことについての話題がよく上がるようになったかもしれない。

「そうだな。最近のAは少し子どもっぽい」

『ちょっと、そればかにしてるよね！』

「フ、ばかにはしてないぞ。親近感がわくとでも言えばいいか」

『じゃあ最初からそう言ってよ！』

ついついいじりたくなってしまうのだ。しかたない。

『まったく、グルッペンくんこそ最近変わったよね』

「そうか？俺はとくに変わってないやろ」

『いーや。変わったよ。私前よりばかにされることが増えたの！』

気付かぬうちに恨みを買っていたようだ。

「フッ、仲良くなったんだな、とでも思っておけ」

『え……』

歩んでいたAの足が止まる。
反射的に俺も止まり、後ろを振り返ると、彼女はなぜかすごく驚いたような顔をしていた。

「ん。なんだ？」

『あ、いや。
…分かった！仲良くなったって思っとく！』

そして表情がコロッと変わり、嬉しそうな顔をした。