7話 ページ8
「なートンちー。俺もうすることないねんけど、帰ってええ?」
「その余った時間を女に使おうとするやつには許可は出さへん」
「え〜。じゃあ何したらええの?俺たぶん来週も暇やで」
「じゃあこの仕分け手伝ってくれ」
「しょーがねぇなー」
最近は大きい行事もないので、生徒会役員はだいたい暇だ。
仕事内容もほとんど雑用事ばかりになってきた。
かく言う俺も、ひたすら来週の定例会で使うプリントをホッチキスで止めるという単純作業を永遠としている。
「あー、ホッチキス切れた…。事務室に取りに行ってくる」
「行ってら〜」
『あ、待って、それなら私もA4紙取りに行きたい!一緒行っていい?』
「ん。大丈夫だ」
Aが一緒に行きたいなんて珍しい。
気を使ってか、一緒に行動するなんて今までほとんどなかったのに。
…いや、ここ数か月のAは少し変わったからな。今はもう珍しいことでもないか…。
変わったAのことを考えながら、2人で事務室に向かった。
「…なー、トンち」
「ん?」
「やっぱりAちゃん、グルちゃんのこと好きやんな…」
「やっぱ、そう思うよな」
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作者名:煽田 -アオタ- | 作成日時:2022年6月19日 21時