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17話 ページ18
しばらく歩き、学校から離れたところで歩くのをやめる。
後ろで一緒に歩くのをやめたAを見れば、じっと下を向いていた。
なんて声をかけたらいいのか分からず内心あたふたしていると、繋がれていた手が強く握り返された。
不安になっているのだろうか、それとも他の別の気持ちだろうか。俺には分からない。
でも、その強く握られた手に応えるように、俺も握り返した。
そうするべきだと、なぜか思ったんだ。
「……大丈夫か」
『…うん。ごめんね』
「いや」
『私、グルさんに迷惑かけてばっかりだね！』
「そんなことはないぞ。俺が勝手にやっているだけや」
『それでも助けられてることに変わりはないからさ、ありがとう』
「…ああ」
ほらまただ、弱った姿に胸が苦しくなる。らしくないのは苦手なんだ。
『帰ろっか』
一歩踏み出した体を引き止めるように手を握る。
「…もう少しだけ、どこか回ってから帰らないか？」
『え、』
「あー、いや、帰ろう」
何言ってんだ、俺。
『行こう！どこか遊びに行こう』
「いいのか？」
『うん』
まただ、自分のことがわからない。
この浮ついた気持ちは、一体なんだ。
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作者名：煽田 -アオタ- | 作成日時：2022年6月19日 21時
