プロローグ ページ3
紅い月が帝都の夜を照らす。夜会の華に群がる蝶は本当の姿に何か興味もない。一夜の夢現に踊る。社交界はうつし世の楽園。
色の白い肌に、薄藤の髪と赤い紅がよくはえる、少女。写し絵のように、深碧の瞳は伏せられ髪色にあわせたらしい藤色のドレスはまだあどけなさの残る少女をレディへとつくりかえていた。
森鴎外:これは雪華子爵お久しぶりです。
雪華子爵:此はこれは、森殿ではないか、ずいぶんと立派になって今は陸軍医だったね。許嫁(フィアンセ)はいるのかな。
森鴎外:いえ。結婚など考える時期では。
雪華子爵:それは良くない。陸軍医となったなら、妻がいて然るべきだろう。私の娘などはどうかな。まだ14歳になったばかりだが、女だてらに高等女学校などに通っていて嫁の貰い手すらなくて困っているよ。
森鴎外:それはそれは、雪華子爵の御令嬢ならばさぞや美しいのでしょうな。
雪華子爵:千影此方へ来て挨拶をしなさい。
千影:...はい御父様。雪華千影と申します。
森鴎外:僕は森鴎外と言う。
父親に呼ばれて不機嫌そうにそばにやって来た少女は藤の花の精霊と呼ばれても遜色はないほどに美しく、僕は彼女に目を奪われてしまった。
雪華子爵:どうかな、私の娘を君の許嫁(フィアンセ)にしては。
千影:...御父様。私は婚約などしたくありません。私は、まだまだ勉強がしたいのです。
雪華子爵:いい加減にしなさい。お前は結婚して子爵家の血筋を繋ぐ使命があるのだ。それに勉強などして何になる。立場をわきまえなさい。
千影:...。
森鴎外:その申しでお受けしましょう。
雪華子爵:これで安心できる良かったな千影。
千影:...。
父は勝手だ。好きでもない相手と婚約させられてしまった。相手は陸軍医だと言っていたが、そこに愛情など存在はしない。
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黒死蝶(プロフ) - レッチャンさん» ごめんなさいパスワードがわからなくなって更新できなくなりましたすみません。もう一度書き直すので良かったら読んでください (2021年5月6日 17時) (
レス) id: fe1c0c9618 (このIDを非表示/違反報告)
黒死蝶(プロフ) - レッチャンさん» ありがとうございますがんばります (2021年5月5日 22時) (レス) id: fe1c0c9618 (このIDを非表示/違反報告)
レッチャン - 全部好きなアニメですこれから頑張って下さい応援しています (2021年5月5日 19時) (レス) id: 617f33c93b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒死蝶 | 作成日時：2021年4月7日 18時
