君の面倒なトコロ TK ページ21
Tside
某歌番組のリハーサル中。
「おぉお…っ、大丈夫?」
そんな慌てたような少し慣れたような声と同時に
隣に立ってたニカの肩がコツンと当たる。
正面にいたガヤなんて、チラッと反応したのみで声も出さない。
ほんと…こういうのって慣れが1番ダメなんだから、ちっとは心配してよねー。
まあ、顔に出してないだけだろうけど。
しかしまあ…ニカが声を上げた原因となる当の本人も
慣れた様子でごめんごめんーと心のこもってない謝罪をしている。
「みつ。顔色悪いわ」
「そ?大丈夫大丈夫」
「ねぇー流さないでよ。心配してんだけどー」
「いつものだからだいじょーぶ」
そうえば今朝、用意中モタモタしていたような。
なんでその時気付いてあげれなかったんだろう。
ミツは数年前、突然頻繁に酷い眩暈に襲われるようになった。
そういう日は決まって顔色が悪く、
家に帰れば頭が痛い、疲れたとすぐ眠る。
症状から検索すると、どうやら貧血じゃないかとなったのだが、男の人の貧血は珍しいから大きな病気が隠れている可能性が高いという記事がかなり出てきて、急いで病院へ行かせた。
…が、本当にただの貧血だった。精密検査までさせたが、無事何も見つからなかった。
そういう意味では安心したけれど…
ただの貧血とはいえ辛いものは辛い。
そしてそれが何年も治っておらず、完璧な貧血持ちと化した。
それで、さっきのように急にフラつき
隣にいたメンバーに寄りかかることもしばしば。
「みつ!」
「あ?あぁ、たま…」
バツの悪い顔で振り返ったミツが、ゴクッと水を飲んだ。
握られた左手を無理やり開けると
頭痛薬と鉄剤のゴミが出てくる。
今日はまだ終わるまで長いのに、大丈夫だろうか。
194人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちび(プロフ) - めっちゃ良いですね、藤北、から検索で来ました、ツイッターもリクエストさせてもらいました⚪︎何気ない藤北、めっちゃ好きなんです、ドラマのは私も妄想してたんでめっちゃ読んでてニヤニヤしちゃいましたわ🤭素晴らしいですね (2023年3月16日 13時) (レス) @page33 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:櫻弓 想 | 作成日時:2023年1月15日 21時