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「え？買い物？」
片手に持っていたコーヒーを落としそうになる。
「さすがにそろそろ家具とか買わなきゃいけないもの多いんだけどさ、俺ひとりだと優柔不断すぎて決まんないのよ、だからさ」
朝のラッシュを抜けてコーヒーを買い、いざ会社に向かおうと歩き出したところで声をかけられる。
最近、ふたりで会社に向かうのも珍しいことではなくなった。
「ん〜。。わたし、役に立てるかな」
「あ、大丈夫。俺が迷ったらAの好みでビシッと決めてくれればいいだけだから」
ふたりで買い物ねぇ。。
特別なことは何も考えてないから、こんなに簡単に誘ってくるんだろうな。
深澤がそういう気ならいいよ。
それならわたしだって、
「彼女と行かなくていいの？」
なんて、聞いてやらないんだから！
「ん〜。。A、これは？」
「グレーの方かな」
「これとこれ、どっちが使い勝手いいだろ？」
「深澤どうせ料理なんてしないんだから、こっちでしょ」
「じゃ、これは？」
「え〜わかんないけど。。こっち」
「うわーまじ助かる。買い物さくさく進むわぁ」
「こんなんでいいの？笑」
「もちろん。じゃ、そろそろ休憩しよっか。コーヒーでも飲も」
休日の昼間から、深澤と会ってるなんてなんか変な気分。
カフェでわたしの目の前に座る彼をついまじまじと見つめてしまう。
「なんだよ、その希少種を見るような目は笑 コーヒーでいいの？」
「あ、カフェオレにする。深澤さー、さっき家具注文してたけど、ちゃんとサイズ測ってきたの？」
「入る入る、大丈夫ー」
「でもあれ結構な大きさだったよ？本当に大丈夫？入るの？」
「笑 信用してないの？家、結構広いのよ。信じられないなら俺んち見に来る？笑」
えっ。。？
「やっ、遠慮します！。。」
。。。一瞬、色々想像してしまった！
慌てるわたしを見ておかしそうに笑いながらコーヒーを飲む深澤。
おちょくられてるのか？
うん、おちょくられてるな！
でも、なんだろ、なんか心地いいんだよな。
転がされて心地いいなんて、わたしも相当アレだよな。。
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作者名：しろ
| 作成日時：2022年10月7日 22時
